岸田首相、政策活動費の透明性強化「早急に具体化の協議進める」 記者会見要旨
岸田文雄首相は21日夜、第213通常国会の事実上の閉会を受け、首相官邸で記者会見した。成立した改正政治資金規正法の検討課題となった政策活動費の透明性強化などについて「早急に具体化の協議を進める」と述べた。会見の要旨は次の通り。 【表でみる】通常国会で成立した主な法律 年明けに政治刷新本部を立ち上げ、必要な対策を示し、必要な行動を促してきた。派閥解消や政治倫理審査会への出席などを決断してきた。政治家の責任強化、パーティー券購入者の公開基準の引き下げ、政策活動費改革を含む政治資金規正法改正を実現できた。政策活動費の透明性強化や第三者機関なども早急に具体化の協議を進める。 能登半島地震の被災地・能登に省庁横断的な国の支援拠点を開設する。常駐派遣を100人超に拡大した「能登創造的復興タスクフォース」を7月1日に発足させる。次の大規模災害を見据え、保健・医療・福祉支援の強化などについて、法改正も視野に速やかに方針を取りまとめる。 ■電気・ガス料金、3カ月補助 30年間日本を覆い続けたデフレ型経済から脱却し、「成長型経済」に移行できるかの正念場にある。5%を超える今年の春闘の力強い賃上げ。設備投資は史上最高水準で海外からの大型戦略投資も相次いでいる。こうした移行の兆しを大きな流れとするため重層的に政策を展開する。6月からの定額減税は下支えとして大きな役割を果たす。中小企業の価格転嫁の徹底へ独禁法などを総動員する。医療・介護や保育など公的分野の賃上げ浸透へ徹底的なフォローアップを進める。 物価水準が高止まる中で年金世帯や中小企業には厳しい状況が続いている。2段構えの対応をとる。第1段は即効性の高いエネルギー補助だ。燃油の激変緩和措置を年内に限り継続する。「酷暑乗り切り緊急支援」として、8、9、10月分の3カ月について電気・ガス料金補助を行う。 第2段として年金世帯や低所得者世帯を追加の給付金で支援する。学校給食費などの保護者負担の軽減などを重点支援地方交付金の拡充できめ細かく講じる。 (ガソリンや電気・ガスへの補助金)の措置が必要となる理由の1つはエネルギー構造の脆弱性だ。原発再稼働が進んでいる地域と全く進んでいない地域では電気料金に最大3割程度の格差がある。安全が確認された原発を速やかに再稼働させ、脱炭素電源への戦略的投資を確保する仕組みを検討する。年内を目途に、エネルギー供給、産業構造、立地を総合的に捉えた国家戦略を策定する。