転職希望者対象のバス タクシー トラックの合同試乗体験会 会場は”本気モード”の参加者で熱気! 静岡市
異なる車種の試乗体験会は珍しい
今年4月からドライバーの労働時間の規制が厳しくなり、全国的にドライバーが不足する事態が起こっています。静岡市の企業グループではドライバー確保のためある試みが行われました。(取材、文=三浦徹) 静岡市清水区の教習所で行われたのは、転職希望者を対象にしたバス、タクシー、トラックの運転体験会です。静岡鉄道のグループ会社、静鉄タクシー、しずてつジャストライン(バス)、駿遠運送(トラック)の3社が合同で実施しました。会場の教習所も同社のグループです。3つの異なる車種で運転体験会が行われるのは県内でも珍しいということです。 体験会が行われた背景には、それぞれの会社のドライバー不足がありますが、特にハードルが高いのが路線バスといわれています。 ●静岡鉄道人事部 清水寛人部長: 「グループの総合力を生かして一つの場所でいろいろな車種を体験できる機会を作ろうと思いました。どの職種も人手がたりていませんが、地域のみなさんの足ということを考えるとバスの運転手の確保は喫緊の課題です」 日本バス協会によりますと、運転に必要な大型2種免許の保有者は、年々減り続け、2020年は2006年と比較すると4分の3ほどでした。高齢化も問題で、保有者の3分の1が70歳以上です。また協会が会員事業者にアンケートをとったところ、56%にあたる493社が「運転者が不足している」と答えています。 今回の体験会には18歳から65歳までの42人が参加しました。 参加者は順番に指導者と2人で希望する車種に乗り込み、指導の下、およそ10分の試乗を行いました。教習所の敷地内のため普通免許があれば、すべての運転が可能です。なかには複数の車種の試乗を行った人もいたということで、体験会の特徴をうまく利用した形になりました。
多いのは40代、50代
参加者は、18歳から65歳と幅広い世代ですが、会社員として定年を控えた世代の参加が目立ちました。最も多いのが50代で18人、続いて40代が10人でした。 ●男性(65歳 静岡市駿河区 無職 トラック): 「この春定年退職して休職中です。この年齢だと職種が限られるので、運輸、介護で再就職先を探しています」 ●男性(58歳 富士市 銀行員 バス): 「あと2年で定年。もともと車が好きで興味がありました。運転は楽しかったのでやりたいという気持ちが出てきました」 参加者の中には妻と子供を連れて3人で参加した人も。 ●男性(30代 静岡市駿河区 公共機関 トラック): 「大型免許はあるけどペーパードライバー。運転することは好きですが仕事となると違うので…。転職したい気持ちは少しあります」 ●男性の妻(30代): Q夫が転職したいと言ったらどうする? 「本人が好きなようにやればいい。長く続けられるのが一番」 参加者の中には県外から参加した人もいました。 ●男性(48歳 埼玉県 工作機械メーカー バス): 「50代になったらきついのでいまのうちに転職したい。いまは営業をやっているがこの年だと、営業での転職は難しそう。人手不足と聞いたので、バスなら転職できるかも。静岡は旅行していいところだと思った。静岡と福岡のバス会社を受けてうかったほうにいきたい」 男性は転居もいとわないということで、このあと後静岡市の移住ツアーに参加したということです。