【ミャンマー】戦争犯罪の責任追及を、国連機関が協力要請
国連人権理事会(UNHRC)が設置した調査機関「ミャンマーでの国際法違反を調査する独立調査メカニズム(IIMM)」を率いるニコラス・クムジャン氏は9日に開幕した第57回人権理事会で、ミャンマーで戦争犯罪が加速しているとして、法的責任を追及するための協力を各国・地域に求めた。 クムジャン氏は、IIMMはミャンマーの紛争当事者らによる残虐な戦争犯罪や人道犯罪の証拠を集めてきたと指摘。民間人は単に巻き添えになっているだけではなく、恐怖心の植え付けを目的とした攻撃の標的になっていると報告した。 また、殺害や村の焼き打ちなどに加え、拘束されている人々に対する暴行や拷問、未成年を含む男女に対する性的暴行などに関する報告や証言を集めていると述べた。 ニコラス・クムジャン氏は、ミャンマーで発生している問題の原因は、戦争犯罪や人道に対する罪が長きにわたり罰せられなかったことにあると主張。加害者に法の裁きを受けさせるため、IIMMは膨大な数の証拠を国際刑事裁判所(ICC)や国際司法裁判所(ICJ)などと共有していると語った。 その上で、ミャンマーでの暴力行為は悪化の一途をたどっており、国民の苦しみが増大していると指摘。全ての国・地域に対し、IIMMによる証拠収集を支援し、残虐行為の法的責任の追及に協力するよう求めた。