東日本大震災から3年、ダライ・ラマ法王14世が東北で語りかけたこと
しかし、そのような中で、暑い昼間には休んで寝て、夜に涼しくなったら起きて働くというようにしたり、そのようにして年月を重ねていったわけなんですけれども、その後、1年後、2年後に私がそういったチベット人の居住区を訪問したときには、もうこのままでは暑くて死んでしまうと言っていたような人々を、そのとき私は非常に勇気付けたわけなんです。励ましたわけなんです。そういった方々がまあまあに大丈夫な状況で、元気でいてくれたという状況であり、そのとき私は「皆さんは、もう暑くて死んでしまうと言っていたのに死んではいませんよね」という冗談を言うと、そのチベット人の人たちも笑っていましたけれども、このように、人の心というものは、自分の決意と自信に満ちて歩んでいくとき、どのような困難な状況に直面したとしても必ずやそれを乗り越えていくことのできる力を私たちは持っているわけなんです。ですから、自信というもの、そして決して諦めないということ。そして、どのような状況でも一生懸命働いてそれを乗り越えようという勇気を持つということ、そのようなことをしていただけるならば、必ずや皆さんもそれを乗り越えていけるのではないかと思います。 そして今年の1月にバンガラというところにあるチベット人居住区を私が訪れたとき、非常にこの何十年もの中におけるチベット人居住区の中で、一生懸命働いてきた人々の結果というものが、ある種の成功を収めたと。皆さんが非常にまあまあな状況で落ち着くことができたということも、この目で見ることができました。ですから、これは1つの良い例ではないかと私自身は思うわけです。ですから、どのような状況に陥っても決して諦めないということ。楽天的な態度を維持するということ。そのようなことによって、私たちは必ずやそれを乗り越えていくことができます。ですから皆さま方も、全てのことは自分の心の持ち方次第で全てが変わっていくということ。これを理解して自分の中に自信と決意を高めていっていただきたいと思うわけです。 そしてもう1つは、決して非現実的な考え方をするということではなく、考え方は現実に即した考え方をし、そして現実的な態度で現実的な実践をしていくということによって、全ての困難を乗り越えていくことができると思います。 竹製でしょうか。コースターなんですけれども、竹を編んだような、かごのようなきれいな塗りが施してあるコースターなんですけれども、日本の製品だと思いますけれども、本当に素晴らしく作られていますね。ですから皆さん方、日本人の方々が持ってらっしゃる伝統というものの中には、本当に洗練された優れた技術というものも存在しているわけです。本当に素晴らしいと思います。