ウルフルズ約2年ぶりホールツアー 改めてウルフルズの、トータスの歌力を魅せつけられたロームシアター京都公演【"ネタバレなし"オフィシャルレポート】
一昨年の30周年ツアーも或る意味、新旧楽曲を幅広く味わえたのだが、その時の30年の歴史を体感する曲目というよりは、ソウルフルにファンキーにロックンロールというエエ曲をただただシンプルにストレートに楽しくぶつけてくれる。私みたいな昔からウルフルズのツアーを観ている人も今回のツアーでウルフルズを初めて観る人も間違いなく「ウルフルズのライブは楽しい!!」という真骨頂を感じる事が出来る。フェスなどの短尺ではなく、約2時間という長尺のツアーだからこそ味わえるウルフルズのライブ感が必ず伝わるはずだ。 トータスは初日に歌っている時から、「“ああしたい! こうしたい!”というアイデアも出てきた! 準備してきた曲があるのに、まだ欲張って足そうとしている自分がいる。ライブが良くなる為なら、やった方がエエに決まっている」と思ったらしいが、実際に初日佐賀・2本目姫路・3本目京都と基本軸は保たれながらも、細かく言うと曲目は変わっている。という事は、ツアー14本の中でどんどんグレードアップされて、ブラッシュアップライブされる事は確実なので、最初の方のツアーに観に来られた方にも中盤終盤のツアーも行かれる事を絶対にお薦めしたい。 曲目以外の衣装と演出面でも何かを書くとするならば、曲目と一緒で想像以上にシンプルでストレートだということ。まっすぐド直球で必要最低限というか、これ以上は何も書けないし、当たり前だが余分なもの無駄なものが全くない。それで言うと30周年ツアーは歴史を体感し過ぎて、完全に涙腺崩壊な流れもあったのだが、今回は全体的にライトな空気感で楽しく踊って過ごしていた。 が、終盤のMCでトータスが32年目のホールツアー&22年ぶりのツアー『ツーツーウラウラ』と話し出して、22年の間にも色々な事があったけど相変わらず汗かいて演奏できる幸せを噛み締める。また、勝手に曲を作って勝手に歌っているだけなのに、何故かエエなと思う人が現れて増えていき踊ってくれるという不思議で変な仕事と自分たちを説明して、みんなが聴いてくれる事に心から御礼を言っての……、あの曲いきなり歌い出しには涙腺崩壊してしまった……。今回は涙腺崩壊タイプのツアーではないと勝手に決めつけはじめていただけに不意を衝かれたというか……。改めてウルフルズの、トータスの歌力を魅せつけられた。無論、ツアーは生き物なので、その日その日でMCも変わるし、別の日のツアーではどうなっているかわからないが、その歌は曲目から外れる事はまず無いと想うので、私と同じく涙腺崩壊する人も出てくるはずである。 最後に追記するならば、トータスがMCで『ややこしい!』と言っていた『ウルフルズ ライブツアー2024 ツーツーウラウラツー シーズン1』というツアータイトル。楽器や機材を載せて全国津々浦々を走り回るツアートラックには、トータスオリジナルのウルフルズマスコットキャラわいもくんたちが日本地図の上を旅するイラストが描かれている。という事は、2002年は35本のツアーだったが、もしかして今回はシーズン2以降もあり、もしかして全47都道府県を全国津々浦々してくれるのではと……、勝手に妄想してしまった。あくまでの私の妄想に過ぎませんから、あしからず御了承ください。 そういわけで、このツアーの4本目以降日程は、既にチケットソールドアウトの9月7日静岡・焼津文化会館から、その後、高知・東京(チケットソールドアウト)・群馬・千葉・茨城・長野・富山(チケットソールドアウト)・新潟・福島と回って、10月20日(日) 山形・希望ホール(酒田市民会館)でファイナルを迎える。また、12月31日(火) には地元大阪で恒例となった大晦日ライブがフェスティバルホールで今年も開催されるという。秋冬と年内のウルフルズからもまったく目が離せない。 Text:鈴木淳史 Photo:渡邉一生(SLOT PHOTOGRAPHIC) <ツアー情報> 『ウルフルズ ライブツアー2024 ツーツーウラウラツー シーズン1』 ※終了分は割愛 9月12日(木) 高知・高知市文化プラザかるぽーと 9月20日(金) 東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂) ※SOLD OUT 9月28日(土) 群馬・渋川市民会館 10月5日(土) 千葉・成田国際文化会館 10月6日(日) 茨城・常陸大宮市文化センター(ロゼホール) 10月11日(金) 長野・岡谷市文化会館(カノラホール) 10月13日(日) 富山・新川文化ホール(ミラージュホール) ※SOLD OUT 10月14日(月・祝) 新潟・糸魚川市民会館 10月18日(金) 福島・南相馬市民文化会館(ゆめはっと) 10月20日(日) 山形・希望ホール(酒田市民会館)