スマホの「イヤフォンジャック」「microSDスロット」は廃止されるのか 次のターゲットは「SIMスロット」?
ハイエンドでは絶滅危惧種となったmicroSDスロット
microSDスロットを備える機種は、イヤフォンジャックを備える機種より少ない。10万円を超えるハイエンド機種では、シャープのAQUOS(Leitz Phone)とソニーのXperia に限られる。 この価格の海外勢に採用例はなく、日本のみならず世界的に見てもレアな存在になりつつある。フラグシップのSnapdragon 8 Gen 3採用機に至っては、ソニーのXperia 1 VIが現状唯一の存在だ。 一方、microSDメモリカードを利用できない機種では、大容量モデルを用意するという変化が見られる。例えばGalaxyでは上位モデルのSシリーズや折りたたみのFold、Flipシリーズ、Google Pixel 8シリーズも直販のみならずキャリアでも複数容量を選択できるマルチストレージモデルで展開しており、日本でも「大容量が欲しい」というニーズに応えている。 また、Xiaomiのオンライン向けブランドのスマートフォン「POCO F6 Pro」も512GBストレージが選択できるなど、オープンマーケット向けの10万円以下の製品も複数容量を選べるものが増えた。 ミッドレンジでは日本向けのローカライズを施したarrows We2 PlusやXperia 10 VIがmicroSDスロットに対応。その一方で、海外勢はmicroSDメモリカードが利用できない代わりに大容量の本体容量で応えてきた。 例えば、「Nothing Phone(2a)」は256GBの容量を選択できる。XiaomiのRedmi Note 13 Proシリーズのように5万円以下でも最低容量が256GBの構成も現れた。XiaomiやNothingなどをはじめ、この価格帯の機種でも複数の容量を選べる機種が登場しており、microSDスロットが利用できなくとも大容量の選択肢が与えられている。 一方、GoogleのPixel 8aについては、256GBの選択肢が欲しいという意見がSNSなどで見られた。本機種は直販、キャリアを通しても128GBの容量しか用意されていない。 4万円以下のエントリーモデルでは、今でもmicroSDメモリカードが利用できる機種も少なくない。一方でarrows We2やAQUOS wish4はストレージ容量が64GBと少ないこともあり、かえってmicroSDメモリカードがないと不便な場面も少なくないと考える。 端末の傾向として、256GBを超えるストレージを備える機種ではmicroSDスロットを採用しない機種が多い印象だ。特にXiaomiなどの海外勢ミッドレンジが最低容量を大きくした代わりに、microSDスロットを採用していない点からもその傾向が見えてくる。 2024年はAQUOS やXperia、arrowsが256GBのストレージ容量でもmicroSDスロットを採用しているが、どれも日本市場での支持が極めて高いメーカーであり、ある意味実質的な日本向けローカライズと判断することもできる。