年末年始は港湾荷役が不稼働も物流に深刻な影響なし 3連休・春節前に集中懸念
国内港湾で2024年度、年末年始例外荷役(12月31日、1月2―4日)が実施されなかったことによる深刻な影響は、出なかった模様だ。一部ターミナルやバンプールで混雑が発生したものの、京浜港では船社・ターミナルオペレーターの関係者が抜港などの調整に追われたほか、大手荷主が出荷調整を行うケースもみられた。ただし、11日からの3連休や1月28日―2月4日の中国の春節休暇もあり、輸入コンテナの荷揚げと搬出の集中が懸念されている。 コンテナ船社は年末年始のターミナル不稼働を受けて日本抜港を決定。行政を含め、ヤードからの貨物の早期搬出を求めるなど対応を進めた。 年末にはスケジュールの遅延により、一部で本船の入港集中や緊急の抜港も発生。それでも関係者の努力により事なきを得たという。ターミナルオペレーター関係者は「ギリギリまでヒヤヒヤだった」と振り返るが、ターミナルの蔵置量などにも問題はみられなかったと話す。 大手の輸出荷主は年末に出荷を前倒しし、年始には後ろ倒しする措置を取ったといい、船社関係者も「年末年始については荷主の理解をいただけた」と胸をなでおろす。 とはいえ、大手ドレージ会社関係者によると、3連休もあり、今週後半から来週は輸入コンテナの搬出オーダーが集中している。春節前の19日以降は大量の輸入コンテナが押し寄せることも予想され、「今週以降の輸入コンテナの荷揚げ量とヤードの蔵置量によっては大混雑が起こってもおかしくない」と危惧する。 別の関係者は「ターミナル不稼働の影響をうまく分散できたのか、答えはまだ出ていない」と身構えている。
日本海事新聞社