夜の宴会場と化した『鴨川』 ”空き缶放置やタバコのポイ捨て”…なくならないゴミ問題「いたちごっご」状態に清掃活動続ける男性はやるせなさ
にぎわいを取り戻す京都。5月に納涼床が始まり、そして7月には祇園祭が開催されるなど今後も多くの人出が見込まれる中、鴨川の「ゴミ問題」に地元住民は憤っています。 【写真で見る】河川敷に捨てられた缶やペットボトル、割りばし…注意を呼びかける看板を新たに設置
「夜はすごい状態。片づけへん、持って帰らない」
京都市内を流れる「鴨川」。河川敷はジョギングをする人や等間隔で座るカップルらでにぎわい、地元の人だけでなく観光客にも親しまれています。しかし、鴨川で40年以上保全活動を続ける杉江貞昭さん(79)は次のように話します。 (鴨川を美しくする会 杉江貞昭さん)「夜となればすごい状態や。みんな飲み食いするやん。その場に置いて帰るっていうのがほとんどや。まずは片づけへん、持って帰らない」 河川敷に捨てられた大量のゴミ。ビールの空き缶やお菓子の袋などが周辺に捨てられているというのです。この日、回収したゴミは6kg以上にのぼりました。杉江さんは長年、鴨川の解決しないゴミ問題に頭を悩まされています。
緊急事態宣言中の宴会でも缶やゴミ袋が次々と投げ入れられる
2021年、コロナ禍で緊急事態宣言中の夜の鴨川では、感染リスクなどお構いなしでボトルを回し飲みする若い男女の姿も見られました。宴会場と化した夜の鴨川には、缶やゴミ袋が次々と投げ入れられていました。 (記者リポート)「人数は10人くらいでしょうか。全員酔っぱらっているように見えます。集団が帰ろうとしていますが、ゴミは置いたままですね。集めたゴミをそのまま置いて帰るようです」
夜の鴨川に集まる人々 ゴミを捨てた若者に取材班が直撃すると…
あれから3年。外国人観光客も戻った中、人から人へと“マナー違反の伝染が急加速”しているといいます。今年5月、取材班は鴨川へと向かいました。午後9時ごろ。晩ご飯を食べ終え、涼みに来たのでしょうか、少しずつ鴨川に人が増えてきました。 2時間後の午後11時すぎ。深夜の川沿いでは、歌を歌ったり楽器を弾いたりと自由に楽しむ人たちの姿が。すると、次の瞬間、男性が橋の上からタバコを捨てました。隣にいる友人も気にする様子はありません。さらに、男性が暗闇に隠れて壁を目の前にうつむいています。用を足しているのでしょうか。 そして、日付が変わった午前0時半ごろになると、酔いつぶれたのか、横たわる人に空き缶を蹴って遊び始める人も。終電が出たあとも『宴』は終わりません。その様子を確認していたところ… (記者リポート)「あっ、投げました。男性が手に持っていた何かを投げました」 遠心力を利用しながら持っていたものを勢いよく川に投げ捨てています。取材班が直撃すると… (記者)「今、何かを投げたの見たんですけど?」 (男性)「いや、ごめんなさい。知らないです」 (記者)「何か投げてましたけど?」 (男性)「知らないです」 (記者)「私たち見たんですけど?」 (男性)「ダメですね、酔っぱらってたんで。あとで取りに行きます」
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