「倉敷藤花戦」伊藤女流四段が挑戦権得る 5期ぶり3度目、西山女流三冠下す
女性将棋の公式タイトル戦「大山名人杯第32期倉敷藤花戦」(日本将棋連盟、岡山県倉敷市、同市文化振興財団、山陽新聞社主催)は4日、東京都渋谷区の将棋会館で準決勝の第2局が行われ、先手の伊藤沙恵女流四段(30)が西山朋佳女流三冠(29)を157手で退けた。準決勝のもう一局を制し、挑戦者決定戦進出を決めていた室谷由紀女流三段(31)が、産休で決定戦は不戦敗となるため、伊藤女流四段が5期ぶり3度目の挑戦権を得た。福間香奈倉敷藤花(32)=清麗、女流王座、女流名人、女流王位=に挑むタイトル戦3番勝負は、近日中に日程が決まる。 【動画】伊藤女流四段が挑戦権 戦型は伊藤女流四段の居飛車に対して、西山女流三冠が振り飛車穴熊に構える対抗形。中盤で主導権を握った伊藤女流四段が機敏に仕掛けてリードを広げた。終盤は西山女流三冠も持ち前の粘りで見せ場をつくったが、伊藤女流四段が冷静に局面をまとめて寄せきった。 伊藤女流四段は「最後まで難しくぎりぎりの勝負だったが、何とか勝ちきることができた。3番勝負ではいい将棋が指せるよう、しっかり準備して臨みたい」と意気込んだ。3期連続の挑戦がかなわなかった西山女流三冠は「準備が甘く、ずっと苦しい将棋だった。最後は何か手がありそうかとも思ったけれど、うまく対応された」と振り返った。 伊藤女流四段はこれまでタイトル戦に11回登場し、2022年には福間倉敷藤花から女流名人位を奪取した実力者。