何度観ても泣ける名作映画5選!
哀切な結末に泣く!『パーフェクト ワールド』
脱獄囚のブッチは囚人仲間と逃げ込んだ民家でフィリップという幼い少年を人質に取り、逃亡を続けることに。しかし、フィリップに暴力を振るう仲間に我慢ができず、射殺してしまう。数々の悪事に手を染めてきたブッチだが根はやさしく、厳格過ぎる母に育てられてきたフィリップもそんな彼になついていく。一方、ブッチの若い頃を知っている老保安官のレッドは、ある思いを抱いて行方を追い続け……。 巨匠クリント・イーストウッドが監督を務めたロードムービーの傑作。脱獄囚と少年が逃亡の旅の中で、たがいの孤独を寄せ合い、絆を育んでいく。犯罪者であっても悪人ではないブッチの物語の一方で、若い頃の彼を少年院に送り非行に走らせたことを悔やんでいるレッドの追跡劇が重なる。誰もがパーフェクトワールドを求めているが、人間は間違う生き物だ。そんな現実に裏打ちされた哀切な結末は、涙なしでは見られない。
オギーの頑張りに涙腺崩壊!『ワンダー 君は太陽』
病気と手術により、顔が変形してしまった男の子オギー。10歳になった彼は両親に背中を押され、初めて学校に通いはじめた。案の定、そこでイジメの対象となり、オギーは落ち込んでしまう。それでも少しずつ友人ができていき、両親や姉のサポートを受け、少しずつ学校になじんでいくオギー。明るさを失わずにいようとする彼の姿勢は、周囲にも影響をあたえるようになり……。 子どもたちの目線に重きを置き、ポジティブな生を問うヒューマンドラマ。容姿面のハンデを負いながらも、自分の居場所をしだいに築いていくオギーの頑張り。そんな彼を支える友人たちや家族の愛情。人と人のつながりを見据え物語は、社会の理想的なあり方を浮き彫りにしているようで興味深く、また味わいも深い。オギーの母にふんしたジュリア・ロバーツの好助演も光る。
文=相馬学 text:Manabu Souma