7回無死一、二塁、逆転の適時三塁打を浴びた明豊の野田（撮影・星野楽）

　◆第106回全国高校野球選手権1回戦　明豊4―8小松大谷（8日・甲子園） 　明豊のエース野田にとってリベンジの夏のはずだったが、悲願は果たせなかった。8回途中までで8失点。昨夏と同じ初戦敗退に終わった。「自分の思いよりメンバーに入れなかった3年生に申し訳ない気持ちでした」。エースとして仲間の期待に応えられなかった苦しさを明かした。 ■興南いきなり名門と激突、神村学園は第4日に登場【九州勢の初戦一覧】 　初回にいきなり3失点したが、その裏にすぐ味方打線が追い付いた。「点を取られてもすぐ取り返すのが明豊なので」。2回以降は粘り強く抑えてきたが、1点を勝ち越した直後の七回に4連打を浴びて3失点。8回2死でマウンドを降りた。「野田は信頼しているので7回は代えなかった」。川崎監督の野田への信頼は揺るがなかったが、エースはそれに応えられなかった。 　昨夏はタイブレークの末に北海（南北海道）に延長10回でサヨナラ負け。最後にマウンドに立っていたのが野田だった。今春の選抜大会は救援で登板。優勝した春の九州大会で先発として結果を出し、3度目の甲子園でようやく先発を託された。「春から夏にかけて心が成長した。大人になった」と川崎監督はエースの成長を認めている。 　悔しさを抱えて次のステージに向かう。「先発を任されたことが一番の成長でした」と野田は語る。「彼は悔しさを持てば持つほど強くなる」。川崎監督もこれからの成長を確信している。 （前田泰子）