仲野太賀、山田孝之は俳優の“トップランナー” 現場での気遣いに「本当に頭が上がりません」
■衣装は“マット&ふんどし一丁”
山田:こうやって話をすればするほど、いかに僕がしぶとく続けているかを痛感しますね。 仲野:しぶとくも何も、ずっとトップランナーですよ! 山田:いやいや、太賀は最初から最後まで本当によかったです。ただ、現場では「ここまでこいつふざけてるんだ」とは思いました。本番の直前まで、本当にふざけっぱなしでしたから。僕も結構フラフラしていましたが、それを上回る感じなのに本番があのクオリティーだったのですごいな…と感じました。 ただ、今回の現場はある意味そうするしかないところもありました。撮影のセッティング時、スタンバイしている間や自分の出番がないときにバカ話をし過ぎて盛り上がり、録音部さんに怒られもしましたが、なぜそうなってしまったかを考えると、やっぱり撮影環境がどうにも過酷だったからだと思います。極度のストレスにさらされていて、気を紛らわせないと狂うような状況でしたから。 例えば僕の衣装なんて、マットを切ったものを羽織っていて、下はふんどし一丁です。撮影が始まったのは去年の8月だったのでかなり暑かったけれど、最終的には相当寒くなりました。アクションシーンでは膝や肘の擦り傷、切り傷は当たり前でしたし、石油を浴びるシーンなどは絵の具と墨汁を混ぜたものの臭いがきつく、まさに“罪人”として扱われているような環境でした。 仲野:雨降らしのシーンも大変でしたよね。大きな機械で風を吹かせて何日もかけて暴風雨のシーンを撮りましたが、ずっと水浸しで過酷に過酷を極めていました。長いシーンでしたし、それぐらいやらないと撮るものも撮れないと思いつつ、やっているときはとにかくきつかったです。 だからこそ完成した作品を見てホッとしました。スタッフもキャストも本当に苦労して作り上げた作品が無事完成した喜びがまずあったのと、時間が経つのを忘れてしまうくらい勢いと熱量があって、アクションエンターテインメントとして見応えのあるものになっていたことが嬉しかったです。僕はこういった作品に初めて出演しましたが、これは楽しんでいただけるのではないかと思いました。