年収280万円なのに、アパートの家賃が「1万円」値上げになると通知! 生活がギリギリなので拒否したら「出て行ってほしい」と言われました。引っ越すしかないのでしょうか…
突然、アパートの家賃の値上げをするという通知が来て焦った経験がある人はいませんか。人によっては家計が苦しく、値上げ後の家賃が支払えないこともあるかもしれません。貸主から「値上げに同意できないなら退去してほしい」と告げられた場合、住み慣れた部屋から引っ越すしかないのでしょうか? 本記事では、賃貸物件の家賃の値上げを通知された際の対応方法などについて解説します。 ▼「シャワーだけ」vs「お湯をためる」1人暮らしはどっちがお得? それぞれの水道代・ガス代を比較
家賃の値上げは可能なの?
賃貸物件への入居時に賃貸借契約書を交わしますが、この契約書には家賃や家賃の支払い方法などを含め、さまざまな内容が規定されています。そもそも契約時に定められた家賃を引き上げることに法的な問題はないのでしょうか。 結論からいうと、貸主と借主、当事者双方の合意があれば、家賃を変更することが可能です。借地借家法によると、当事者が家賃の値上げ(あるいは値下げ)を要求できる正当な条件として次の3つが挙げられています。 ・土地や建物に対する税金などが増加(減少)したとき ・土地や建物の価格が上がる(下がる)など経済事情が変わったとき ・周辺の家賃と比較して不相応に安すぎる(高すぎる)とき この条件に当てはまれば、貸主は借主に家賃の増額を求めることができます。一般的には契約更新のタイミングで家賃の値上げを打診されることが多いようです。
家賃の値上げをお願いされたら?
借地借家法による条件は、あくまで家賃の値上げを「請求」をできるというものです。つまり一方的なお願いであり、借主の合意がなければ家賃の値上げは成立しません。 経済的に苦しいなどの理由で家賃の値上げを受け入れられない場合は、合意しないという選択肢をとっても特に問題はありません。借主が値上げに合意しなくても、家賃はそのままで賃貸借契約が更新されます。 もちろん貸主の説明に対して「家賃の値上げはしかたがない」と納得するのであれば、承諾しても良いでしょう。
家賃の値上げを拒否して退去を求められたら?
家賃の値上げを断ると、貸主から退去するように告げられる可能性もあるかもしれません。 もしそのまま住み続けたければ、退去を求められてもこれまでどおりの家賃の金額を支払い続けるようにしましょう。きちんと家賃を支払っている限りは強制的に退去させられることはありません。 仮に家賃の受け取りを拒否された場合、法務局の供託制度を利用しましょう。家賃を法務局に預けることで、家賃を支払ったとみなされ、不支払いによる退去を避けられます。貸主との話し合いが難航する場合は消費者相談窓口などに相談するのも一つの方法です。