2024年の新語・流行語大賞は「ふてほど」: 不適切な「裏金問題」真っ黒な「ホワイト案件」もトップ10に
今年の新語・流行語大賞は、大ヒットドラマ『不適切にもほどがある!』。「ダンスやドラマから新語が出たものの、お笑い界からはノミネート30語にもなし」と選考委員の室井滋さんは指摘しているが、お笑い界もコンプライアンスを重視せざるを得ない? 10月の衆院選挙の自民党の公約は「ルールを徹底して守る」。国権の最高機関の議員を選ぶのに生徒会選挙のような公約は不適切にもほどがある!?
今年の世相を表す言葉を決める「2024年ユーキャン新語・流行語大賞」(自由国民社『現代用語の基礎知識』選)の年間大賞とトップ10が12月2日、発表された。
年間大賞、トップ10の新語・流行語
【年間大賞】ふてほど ケチで無神経で図々しくデカい声でうわさ話に花を咲かせる―。そんな中年女性を表した「オバタリアン」が流行語大賞に選ばれたのは1989(平成元)年のこと。今の時代なら、「不適切にもほどがある!」と世間からのバッシングに遭って、新語・流行語大賞自体が廃止に追い込まれるかも!? 今年の新語・流行語大賞は宮藤官九郎さんがオリジナル脚本を手がけたTBSの金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』 1986(昭和61)年から2024(令和6)年にタイムスリップしてしまった中学校の体育教師・小川市郎は、ところかまわずタバコをふかし、「ブス」「男顔負け」と、昭和世代には懐かしくも、現代ではありえない言動を繰り出す。 選考委員のやくみつるさんは「この選出はまことにアイロニカル。“言葉の保管庫” としてその年を代表する語を選定しているが、口にした当時は微塵も疑わなかった封印語をあえて世に問う “ふてほど” を大賞としたことは、選んだ側の自戒の念も含むものとご理解願います」とコメントしている。
【トップ10】
裏金問題 共産党機関紙「赤旗」が、自民党の派閥パーティーをめぐる政治資金規正法違反をスクープ。衆院選挙期間中の “裏公認” 報道が追い打ちとなり連立与党過半数割れ。議席を伸ばしたのは立憲・国民で、共産は議席減。 界隈 もともとは地理的な「その辺り」を表す言葉だったが、Z世代を中心に「共通の人」「仲間」的な意味合いで使われる。「風呂キャン(=キャンセル)界隈」は「風呂に入るのが面倒くさい気分」の共有。 初老ジャパン パリ五輪総合馬術団体で92年ぶりに銅メダル。チーム4人の平均年齢が41.5歳と聞いて、「全然、初老じゃないよ!」と日本中の中年世代がツッコミを入れたが、広辞苑によれば、初老は「40歳の異称」。 新紙幣 2024年7月、20年ぶりの紙幣切り替え。三次元ホログラムなど世界最先端の偽造防止技術を取り入れたが…キャッシュレス時代が到来し、紙のお札の出番は減少傾向。 50-50 ドジャースの大谷翔平選手が、前人未到の50本塁打・50盗塁達成。昨年9月に右ひじ手術を受けリハビリ途上、信頼していた通訳の水原一平氏の裏切りがシーズン初めに発覚。とてつもない逆境をはねのけての偉業。11月22日にはナ・リーグMVPに満票で選ばれた。2年連続3度目で指名打者選任での受賞は史上初。 Bling-Bang-Bang-Born ヒップホップユニットCreepy Nutsの楽曲で、TVアニメ『マッシュル』の主題曲。ダンス動画が話題となり、世界的な大ヒットに。ユニット名を和訳すると「マジ、やべー奴ら」。でも、ここには書けない不適切な意味があるらしい。 ちなみに、Creepy Nutsは、大賞に輝いたドラマ『不適切にもほどがある!』の主題歌「二度寝」も手掛けており、今年、大ブレーク! ホワイト案件 SNSを通じて実行犯を募集する “闇バイト” が社会問題化し、ブラックでないことをアピールするために使われるようになった言葉。でも、実際はブラック!「運ぶだけ」「回収するだけ」で何万円も稼げるはずない! 名言が残せなかった “逆転の女王” の異名をとるやり投げの北口榛花選手が、パリ五輪では1投目で今季自己ベストを出して金メダル。インタビューで「名言が残せなかった」と悔やんだが、どんな名言にもまさるはじける笑顔が忘れられない。 もうええでしょう Netflixで7月から配信されたドラマ『地面師たち』は、実際にあった積水ハウス地面師詐欺事件をモチーフとしている。ピエール瀧さんが演じる元司法書士の男が人の話をさえぎる「もうええでしょう」のセリフが話題に。