“通話できるApple Watch”で注目、「eSIM」をめぐる3つの疑問
(2)格安SIMに乗り換えたい場合はどうなるの? さてここで気になるのは、各携帯電話会社でApple Watch Series 3を購入後に、MVNO事業者が提供するいわゆる“格安SIM”と呼ばれるサービスにMNPで乗り換えたい場合には、どうするのかという疑問です。 最近では、iPhoneユーザーでも格安SIMに乗り換えて通信費を抑えようという動きが拡大しています。特に、格安SIMの多くはNTTドコモの回線を使用していることから、iPhoneを使用しているNTTドコモのユーザーはSIMロックを気にすることなくSIMカードをMVNO事業者が発行するものに挿し替えるだけで乗り換えが可能です。 では、eSIMを搭載したApple Watch Series 3の通話機能は、格安SIMの契約でも利用できるのでしょうか。既に、MVNO事業者が発行する格安SIMでiPhoneを利用しているユーザーの多くも、この点について疑問を持っています。 多くのMVNO事業者に回線を提供しているNTTドコモに話を聞いてみたところ、現時点でドコモのeSIMプラットフォームはNTTドコモの回線契約者のみをサービスの対象にしており、ドコモ系の回線であってもMVNO事業者の契約でApple Watch Series 3の通話機能を利用することはできないとのこと。 今後ドコモのeSIMプラットフォームにMVNO事業者が参加できるのかという質問に対しては、「現時点では予定していないが、要望などを踏まえて今後検討していく可能性はある」と回答しています。 残念ながら、あくまでApple Watch Series 3のセルラーモデルに対応できるのはドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社のみで、格安SIMでiPhoneを利用している人や今後iPhoneを格安SIMで使いたい人がApple Watchの通話機能を使用するのは、現時点では難しいと言わざるを得ない状況のようです。