内藤礼の展覧会が東京国立博物館で開催。「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」は6月25日から。銀座メゾンエルメスとの2館を往還する構成
トーハクの収蔵品や建築空間と内藤礼の出会い
東京国立博物館で展覧会「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」が6月25日~9月23日に開催される。会場は同博物館の平成館企画展示室、本館特別5室、本館1階ラウンジ。 自然の諸要素と日常のささやかな事物を受け止めることから「根源的な生の光景」を作品として出現させてきました美術家・内藤礼。 本展は150年の歴史を持つ同館の収蔵品や建築と作家の出会いから始まった企画。内藤は縄文時代の土製品に自らの創造と重なる人間のこころを見出し、「生の内と外を貫く慈悲」を感じたという。 さらに建築の歴史を作家が独自の視点で読み解くことで、新たな空間作品を制作する。会場のひとつとなる特別5室では、長年閉ざされていた大開口の鎧戸が開放され、作家が追求する「地上の生の光景」の舞台となる。 また場の本来の姿が顕れるようにと、展示室のカーペットと仮設壁が取り払われ、建築当初の裸の空間が立ち現れる。その空間を自然光が満たすことで、一瞬ごとに変容していく風景が広がるだろう。 なお本展は、エルメス財団との共同企画。作家の構想は、2ヶ月後に始まる銀座メゾンエルメス フォーラムでの展覧会「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」(9月7日~2025年1月13日)へと続き、再び東京国立博物館へと戻るという。2会場にまたがり連作の絵画と立体作品が展開される。 この世界で生きることと作ること、変容や流動、人と自然の交歓といったものについて、深く感じることができる展覧会になりそうだ。
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