インドで繰り返される投信調査-不安抱く投資家は撤退も
同氏はコンピューターモデルを使って市場を上回る運用成績を収め始めた。金融危機の前後数年間、ウォール街に強烈な影響を与えていた定量的モデリングは、ファンダメンタルリサーチと組み合わされ、富裕層顧客に対するタンドン氏の名刺代わりとなった。
同氏は14年の会議で、「会社としてファンダメンタルズに3分の1、行動に3分の1、流動性に3分の1のウエートを置いている」と珍しく公の場で投資の枠組みを披露。「われわれは、私の心のよりどころであるリサーチを中心にビジネスを構築している」と明かした。
タンドン氏と同氏の会社は、この記事に関するブルームバーグの問い合わせにすぐには応じなかった。
インドの規制当局は、国内金融市場の行き過ぎを抑制するため、幾つかの面で取り締まりを強化。インド準備銀行(中央銀行)とSEBIは最近、フィンテック大手、ペイティーエムの傘下企業に対する銀行免許取り消しや新規株式公開(IPO)の資金調達取り締まり、オプション取引の監視強化などを行った。
インド当局、影の銀行に新たな制約-融資・IPOに水差す可能性
クオント・ミューチュアルに詳しい関係者によると、今回の調査を契機にタンドン氏はリスク管理システムを刷新し、より経験豊富な人材を採用することになるかもしれないという。
投資調査プラットフォーム、バリュー・リサーチを創業したディレンドラ・クマール最高経営責任者(CEO)は、「ファンドはコーポレートガバナンス(企業統治)ではなく、リターンで評価されている」と述べ、「SEBIの命令が出るまでは、リターン目当ての投資家は粘るだろうが、不安を抱く投資家は撤退する可能性がある」との見方を示した。
ムンバイなどの拠点から押収した書類を検証するため、SEBIがクオント・ミューチュアルについて判断を下すまで数カ月かかるとみられる。
原題:Quant Fund’s 38,650% Asset Jump Threatened by Probe (Correct) (抜粋)