父が高齢になり「お墓を建てる」話が出ました。兄弟で出し合うと思っていたら、長男が出すのが普通だと言われました。それは本当ですか? お墓を建てるにはどのくらいの費用がかかりますか?
親が高齢になり、将来を見据えた「お墓」の話が出ることは、家族として自然な流れです。しかし、長男の方がその費用負担について「長男が出すのが普通だ」と言われると、戸惑いを覚える方もいるのではないでしょうか。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる? 本記事では、長男が負担するという風習の真偽や、実際のお墓にかかる費用の内訳を詳しく解説します。また、兄弟で分担する場合の注意点や話し合いのポイントについても紹介します。
お墓の費用は長男が負担するもの? 昔の風習と現代の考え方
昔の日本では、「家を継ぐ長男が家族のお墓を管理する」という考え方が一般的でした。これは、長男が家長として親や先祖の供養を一手に引き受ける立場とされたためです。そのため、お墓を建てる費用や維持費も長男が負担するのが「普通」とされていました。 ちなみに、お墓とは異なりますが喪主の場合は配偶者、長男、次男等の直系男子、直系女子の順序で決められる場合が多いようです。 しかし、現代では家族構成や生活様式が多様化しています。核家族化が進み、長男が遠方に住んでいることや、経済状況が異なることも少なくありません。そのため、長男が一人で負担するケースは減りつつあり、兄弟姉妹で話し合って費用を分担する家庭が増えています。 まずは、家族で「長男が出すのが普通」という考え方に縛られず、現代の状況に合った方法を話し合うことが大切です。
お墓を建てるためにかかる費用とその内訳
お墓を建てる際の費用は、「墓石代」「土地代」「管理費」に分けられます。 株式会社鎌倉新書(東京都中央区)が実施した、「【第15回】お墓の消費者全国実態調査(2024年)」(調査期間:2024年1月、調査対象:2023年1~12月にお墓探しの総合情報サイト「いいお墓」経由でお墓を購入した1791名)では、お墓を建てるのにかかった平均価格は、149万5000円です。そのなかで墓石代が97万4000円、土地代が47万2000円の価格となっています。 また、お墓の管理費用として年間数千~2万円程度がかかります。また、永代供養墓の場合は5~150万円程度となり、依頼する墓地や寺院によって大きく異なります。