世界が注目する韓国発のブランド「ポスト アーカイブ ファクション」とは? デザイナーのドンジュン・リムに聞く
基本的に「ポスト アーカイブ ファクション」の服は「ユニホーム」のようなものです。韓国では小学校から高校、兵役まで約10年間ユニホームを着る文化があります。私もそのように育ち、兵役後はどんな服を着たらよいか分からなくなりました。それで自分が着たい「ユニホーム」を作ろうと思い、ネットで調べながら服作りを始めました。当初はそれでお金を稼ぎ、海外でアートを勉強するつもりでした。
しかし、服作りを続けるうちに独学に限界を感じ、服をちゃんと勉強した人が必要だと思い、18年に共同創業者のスキョ・ジョン(Sookyo Jeong)を誘って「ポスト アーカイブ ファクション」を立ち上げました。ブランドの運営を続ける中で人気が高まり、大きなブランドともコラボレーションができるようになり、今では仕事が楽しいです。
WWD:ドンジュンさんとスキョさんとの役割はどのように分担している?
ドンジュン:自分がデザインやクリエイティブディレクション、あとマネジメントも担当しています。肩書きとしてはCEOです。スキョは実際にプロダクトの品質や生産管理を担当しており、CPO(=Chief Product Officer、最高プロダクト責任者)としての役割を担っています。
「造形的に美しく、機能的に優れた服」を目指す
WWD:「ポスト アーカイブ ファクション」のブランド名の由来は?
ドンジュン:僕の世代は、前の世代が作り上げた膨大なアーカイブにアクセスできる環境にあります。その一方で、今から自分たちが一生懸命、服を作り続ければ、将来「ポストアーカイブ」として新しいアーカイブを築けるのではないかと考えました。そして、同じ志を持つ仲間たちを表す「ファクション」という言葉を組み合わせ、ブランド名にしました。
WWD:「ポスト アーカイブ ファクション」のデザイン哲学は?
ドンジュン:「造形的に美しく、機能的に優れた服を作る」のが一番の目標です。でも、これを実現するのは簡単ではありません。常に試行錯誤を重ねています。