まともな候補が一人もいない…元東京都知事が「小池・蓮舫・石丸の三氏はいずれも問題がある」と断じる理由
■史上最高の30人以上が出馬予定 今回の都知事選は、30名以上が出馬する予定と、候補者数では史上最高となりそうである。今のところ、立憲民主党の蓮舫参議院議員が手を挙げ、大きなニュースとなっている。現職の小池百合子都知事は12日に出馬表明している。また安芸高田市長の石丸伸二が市長職を辞任し、立候補するという。 【写真】自著の奥付には「カイロ大首席卒業」と書かれていたが… 現時点での展望と問題点を指摘してみたい。 現職の小池都知事は当初、5月29日に出馬表明すると言われていたが、依然沈黙を守り続けていた。「後出しジャンケン」のほうが有利という選挙戦術の側面もあったのかもしれないし、元側近が暴露した学歴詐称疑惑が影響したのかもしれない。 ■2020年の「もみ消し疑惑」 2020年5月に発売された石井妙子氏の著書『女帝 小池百合子』(文藝春秋)が、小池氏の「カイロ大学卒業」という経歴は疑わしいと指摘したが、小池氏はその指摘を否定する工作を行った、という疑惑がもちあがっている。 小池氏は側近の小島敏郎弁護士に相談し、小島氏は「カイロ大学に声明文を出してもらう」というもみ消し工作をしたという。 具体的には、小池から依頼された元ジャーナリストが、6月に小池の卒業を証明する文案を書き、それとほぼ同じ内容の声明文がエジプト大使館のフェイスブックに掲載された。 その工作は成功し、学歴詐称疑惑はいったんは雲散霧消したのである。 コロナ流行を理由に小池は街頭での選挙戦を控えたため、この問題について他候補やメディアに質問されることもなく、選挙の争点にもならなかった。こうして、2020年7月の都知事選で小池は圧勝した。
■注目される「選挙公報の学歴」 私は40年前から小池氏を知っているが、私に対して学歴についての嘘をつき続けてきたので、私は学歴詐称の可能性は極めて高いと思う。 学歴詐称は公職選挙法違反であり、当選は無効となる。ただ、時効は3年であり、2020年の選挙での違反はもう罪には問われない。 しかし、公文書偽造(時効7年)や私文書偽造(時効5年)については、今でも罪を問うことが可能だ。 今回、小池が立候補するならば、選挙公報に記載する学歴は「カイロ大学卒業」と記すのであろうか。もし、そのように記述したら、小島は訴訟を起こすと息巻いている。 ■「小池氏の国政復帰」は国益を損なう 「もみ消し工作」が事実なら、小池氏はエジプト政府に対して大きな借りを作ったはずで、小池氏はもはやエジプト政府の言うなりであろう。そんな小池氏にはもう政治家としての将来はない。国政に復帰するなどもってのほかだ。外交において高い確率で国益を損なうだろう。 小池氏が支援すると選挙に勝つという「神話」も色あせてきた。4月21日の目黒区長選では、都民ファーストの会と国民民主党が推す伊藤悠候補が敗北した。 4月28日の衆議院東京15区補選では小池氏が推した乙武洋匡候補が第5位と振るわず、落選した。5月26日の東京都議補選(目黒区)では、立憲民主党候補と無所属候補が当選し、小池氏が応援した自民党候補は落選した。6月2日に行われた港区長選挙でも、小池氏の支援を受けなかった無所属候補が勝っている。