大阪名物たこ焼きの体験型テーマパーク「道頓堀くくるコナモンミュージアム」:フワトロ食感生み出す職人技を伝授
地下の対面型カウンターでは、くくるの職人が作り方を直伝。まずはたこ焼き器の穴ごとに8分目まで生地を流し、タコとお好みの具を満遍なく穴に入れる。続いて残りの生地でヒタヒタにして、薬味を投入する。生地が固まってきたら穴からあふれた部分を縦横に切り、一つ一つ裏返そう。後は穴の中で回して形を丸く整えながら、キツネ色になるのを待つだけだ。 プロ仕様の銅板たこ焼き器に秘伝の粉、講師のマンツーマン指導でお店と同じフワトロ食感に仕上がるはず。たこ焼き職人認定の証しとしてオリジナルの鉢巻きが授与される。コツを覚えれば我が家のたこ焼きもワンランクアップできるかも!? カウンターのノートにはさまざまな言語で「タコがこんなにおいしいとは思わなかった!」「母国に帰っても作りたい」といった感想がつづられていた。中国・韓国・東南アジア、次いで欧米の客が多いそうだ。「作り方を教える時は、身ぶり手ぶりと片言の英語で『ライク・ディス!』ってやれば大概通じるもんです」と講師が言うようにインバウンドも大歓迎だ。
3階にあるたこ焼きの食品サンプル制作体験コーナーは、子どもに好評だ。講師は「溶かしたろうを型に流すだけで本物を作るよりも失敗が少ないし、色の組み合わせやトッピングで個性的な仕上がりになる。夏休み時期は自由工作の宿題用にと小学生が詰めかけます」と話す。食品サンプルは日本独自の文化だが、今や海外でも大人気。口コミなどで知った訪日客も数多く訪れるという。
万博を機にたこ焼き文化を世界へ
店内ではしきりに“た~こやき た~こやき♪”という混声合唱が流れる。きっと誰もが聞き覚えのあるヘンデル作曲「ハレルヤコーラス」の替え歌「たこやきハレルヤ」で、気づけば口ずさんでしまう。くくるが2010年上海万博に出店した際のPRソング。半年で50万食を販売してブームを呼び、同年に中国進出を果たすのに貢献した。 もちろん地元開催の2025年大阪・関西万博にもくくるは出店する。日本の食材と職人技にこだわったおいしい“TAKOYAKI”で、大阪に押し寄せる世界の人をもてなす。 取材・文・撮影=ニッポンドットコム編集部