未来を担う少年少女たちへ ~ 本田圭佑からのメッセージ
サッカー日本代表の本田圭佑選手は、高校時代を過ごした石川県金沢市へ子供向けサッカーコートの建設、東日本大震災被災地の子どもたちへのサッカーボール寄贈やフットサルコートの建設、自身がプロデュースするサッカースクールの開校、そしてオーストリア3部リーグ「SVホルン」への経営参入とユース/ジュニアユースチームの創設など、次世代を担うサッカー選手の育成やサッカーを楽しむ環境の支援に力を入れていることで知られています。こうした子どもたちと向き合う本田選手の活動には、どのような思いが込められているのでしょうか。今回は、本田選手の帰国に合わせて行った取材から、未来を担う少年少女に向けた本田選手のメッセージを紹介します。 インタビュアーは、デビュー当時から本田選手と親交があり、ラジオ番組やイベントでアンカー(司会者・ナビゲーター)として活動するケン・マスイ氏。
現役選手が小さなサッカー選手たちと触れ合う意味
── “未来を担うサッカー選手”の育成に力を入れているトップチームの現役選手というのは、日本でもヨーロッパでもあまりいないのではないかと思います。その理由を教えてください。 本田選手:全ての理由は、3年半前になぜサッカースクール「SOLTILO FAMILIA」を開校したのかに集約されるのではと思います。一言で言うと、現役選手が(子どもへの指導を)するのと、引退した選手がするのでは、子どもたちに対する影響に明らかな違いがあると思うのです。それが、仮に「日本代表」という肩書があったとしても。私も子どものときに多くのサッカースクールに参加しましたが、そこで指導してくださったコーチは(現役選手ではないため)名前を聞いてもあまりピントこないことも多かった。そういう子ども時代の体験があって、自分がプロになったときには、現役選手として子どもたちを指導しようと考えていました。 ── きっと、本田選手が試合で活躍するとスクールの子どもたちも喜ぶ。それは、「本田選手が監督から指導を受けていることが、そのまま僕たちにもフィードバックされている」という感覚になるのかもしれませんね。その“リアル”な感じが、引退した選手が指導することと大きな違いなのでしょうか。 本田選手:そういった影響力は狙っています。私はサッカーの最前線でやっていることをそのまま子どもたちに教えているので。