未来を担う少年少女たちへ ~ 本田圭佑からのメッセージ
── 加えて、本田選手は欧州オーストリア・SVホルンの実質的なオーナーでもある。それが子どもたちにとって、「スクールでがんばって認めてもらえれば(世界への)道が拓けるのではないか」という夢を与えているのではないでしょうか。 本田選手:私は子どもたちには「大きな夢を持って欲しい」といつも伝えています。SVホルンは、今は3部のチームですが、それが上のカテゴリーに昇格していくことで、子どもたちが目指すところがもっと大きくなればと思っています。
夢は子どもたちの胸の中にある それを言える環境が必要だ
── 本田選手は、サッカー選手に限らず、どんなことでもいいから「大きな夢を持て」と子どもたちに伝え続けていますね。 本田選手:スクールでは、どんな夢であっても、子どもたちが抱いた夢をコーチたちが全力でサポートするということを理念にしています。その理念は貫いていきたい。子どもたちには、できるだけデカい夢を持って欲しい。それは強く思っています。 ── ヨーロッパでは、子どもたちはストレートに自分の夢を語る。しかし、日本にはシャイなのか考えていないのか、なかなか夢を語る子どもがいないと思います。 本田選手:夢は子どもたちの中にきっとあると思うんですよ。ただ、言える環境ではないのではないでしょうか。それは、私たちが作っていかなければならないと思います。ほとんどの大人は、「夢がないのは子どもたちのせいだ」という。でも、それは私たち大人のせいでもあると思うのです。私たちが、子どもたちに夢を語りやすい環境を作ってあげること、子どもたちに大きなことを言う勇気やきっかけを与えてあげることが重要なのではないでしょうか。私も活動の中でそういった部分を心がけています。
── 本田選手がJリーグで初ゴールを決めた当時は、サッカー選手の夢はJリーグのトップチームに登りつめることだった。しかし、今は多くの選手が海外のクラブで活躍し、夢は世界へと広がり選択肢も増えています。今と昔では環境は大きく変わりましたね。うらやましくないですか? 本田選手:それは、お互いさまですよ。私の先輩たちは、「なんで本田がACミランでプレーできるのか」なんて思っているかもしれません。でも、それは時代の流れだと思うのです。今の子どもたちは、将来当たり前のように、マンチェチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリード、ユベントスのようなヨーロッパのトップチームで活躍していくのではないかと思います。(世界で活躍した)先人たちの偉業に感謝をしながら、そのレールを途切れさせないことが大事だと思います。