妻が「フルタイム」と「パート」では年金の差がどれほど出る?共働き夫婦が考える年金のこと
正社員とパートタイム、20年間でもらえる年金はどのくらい違うの?
次は、仮に現在40歳のAさんが60歳まで正社員で働く場合と、パートタイムで働く場合とでそれぞれ20年間で得られる年金をざっくり試算してみましょう。 老齢厚生年金の受給額は、厚生年金加入期間と、加入期間中の平均的な給料収入等(平均標準報酬額)によって計算されます。 老齢厚生年金の受給額(報酬比例部分)の年金額は、本来水準と従前額保障の2つの計算式があります。 ・老齢厚生年金受給額=A+B ・A=平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入月数 ・B=平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入月数(1円未満は四捨五入) 今回は上記2つの計算式のうち「B:平成15年4月以降の加入月数」を使用して計算します。 ●妻が正社員となり40~60歳までの20年間(240カ月)厚生年金に加入した場合 試算するにあたり、以下の条件を設定しています。 ・年収240万円(ボーナス込み) ・「240万円÷12カ月=20万円」を報酬月額表で確認すると17等級の20万円 20年間(240カ月)厚生年金に加入した場合の年金額は 20万円×5.481/1000×240カ月=26万3040円(年額) 月額にすると2万1920円増額された年金を受け取れます。 ●妻がパートタイムとなり40~60歳までの20年間(240カ月)厚生年金に加入した場合 ・年収120万円 ・年収130万円未満ですが従業員101人以上の企業に勤務している ・「120万円÷12カ月=10万円」を報酬月額表で確認すると5等級の9万8000円 20年間(240カ月)厚生年金に加入した場合の年金額は 9万8000円×5.769/1000×240カ月=13万5120円(年額) 月額にすると1万1260円が増額された年金を受け取れます。 妻が正社員、パートタイムのいずれかで働いた場合の厚生年金の上乗せの分は、正社員の方が、毎月約1万円多くなります。