40年間行方不明「諦めていた」自筆文字を発見 池波正太郎が揮毫の「真田氏発祥の郷」
長野県上田市真田町本原の真田氏記念公園に立つ石碑「真田氏発祥の郷」の碑文の元になった作家池波正太郎さん(1923~90年)の自筆文字が見つかり、上田市中央3の池波正太郎真田太平記館で特別展示されている。石碑の揮毫(きごう)は、池波さんと親交があった元上田市の職員を通じて旧真田町教育長の故清水憲雄さんが依頼。元になった文字はその後約40年間、行方がわからない状態になっていたという。 【写真】「真田氏発祥の郷」の石碑。碑文は池波正太郎が揮毫した。
碑文の元の文字は、縦15センチ、横12センチほどの大きさの紙計7枚に「真田氏発祥の郷」と一文字ずつ書かれている。同館は池波さんの生誕100年に当たる2023年、この元の文字を各方面で探したが、見つからなかったという。
ところが今年6月、市教育委員会真田地域教育事務所の職員が、封筒に入っていたこの文字を同事務所の倉庫で見つけた。同館が池波さんの著作権などを管理するオフィス池波(東京都)などに照会したところ、池波さんの自筆文字であることが確認された。
「ないと諦めていたものが発見された。なめらかで特徴ある池波先生の生の書を直に見てほしい」。同館の山口明海館長は話す。特別展示は10月20日まで。