銀行員が選んだ「職場としての銀行」ランキング、働きやすい銀行、働きがいのある銀行はどこか
2位は日本マスタートラスト信託銀行。投資家に代わって有価証券の保管・管理を行うカストディアンだ。正確な事務作業が求められるためか、コンプライアンス意識や情報管理が徹底しているという口コミが目立った。同じくカストディアンであるステート・ストリート信託銀行も、4位にランクインしている。 ■「働きがい」がある銀行30社 次に働きがいランキングで特徴的だったのは、ランキングトップ10行のうち8行を地方銀行が占めていることだ。就職先として地銀を選ぶ従業員は、もともと地元志向が強い。融資などを通じて地域経済を支えているという自負が、行員の働きがいにつながっているのかもしれない。
1位は北海道銀行。地元での存在感は絶大で、道内企業の中でも給与や福利厚生面で恵まれている点がモチベーションにつながっているようだ。営業店の担当者からは、取引先から信頼されたり、感謝の言葉をかけられたりすることを働きがいとして挙げる口コミが寄せられていた。2位は岡山県を地盤とする中国銀行で、やはり地域密着のビジネスモデルに愛着を覚える行員が多い。 ■「働きやすい」銀行30社 働きやすさランキングでは、女性の働きやすい職場が上位にランクインした。1位はSMBC信託銀行。外資系の信託銀行が源流であるため、海外流の人事制度が浸透。産休や育休の取得、子育て中の女性の働き方にも配慮があるようだ。今年3月末時点での女性管理職比率は23.4%と、金融・保険業の平均を8ポイントも上回っている。
2位はセブン銀行。こちらも有休や産休・育休の取りやすさ、時短業務を容認する姿勢などを評価する口コミが目立った。なお、東洋経済の『就職四季報』によれば、新卒社員の3年後の離職率は3年連続でゼロだという。 上位にランクインした銀行に投稿された口コミには、頻出するワードがある。組織文化では「風通しがよい」、働きがいでは「成長できる」、そして働きやすさでは「休暇が取りやすい」などだ。 銀行の就職人気もかつてほどではなくなってきた。さらにデジタル化は必須でIT人材なども必要だ。そうした人材を確保するためにも、こうした声を真摯に受け止め、職場づくりに生かす必要がありそうだ。
一井 純 :東洋経済 記者