銀行員が選んだ「職場としての銀行」ランキング、働きやすい銀行、働きがいのある銀行はどこか
「金利ある時代」の到来は銀行業界にどのような影響を及ぼしているのか。『週刊東洋経済』11月2日・9日合併号の特集は「銀行 大波乱」だ。各行のデジタル戦略や、利上げがもたらす意外な影響などを深掘りしつつ、独自のランキングも交えて、銀行業界の最新動向を紹介する。 【ランキングを全部見る】「組織文化ランキング」「働きがいランキング」「働きやすさランキング」 銀行といえば、総じてお堅いイメージを持たれがち。だがある大手行の本部を訪れてみると、スーツ姿はごくわずか。多くの従業員がカジュアルな服装で業務に当たっており、さながらIT企業の雰囲気だ。
働き方改革は銀行にも及んでおり、職場の雰囲気や働きやすさも様変わり。だが、それも銀行によって違いがあるようだ。 そこで今回、従業員口コミサイト「OpenWork」を運営している「オープンワーク」社の協力を得て、銀行の現役行員はもちろん、OBやOGなども書き込んだ忌憚のない口コミ投稿を基に3つの視点で「働きやすい銀行ランキング」を作成した。 ■3つの視点でランキング 具体的には文化や体制面など、組織にまつわる投稿を集計した「組織文化ランキング」、モチベーションを保つことができるか、成長機会を感じられるかといった投稿を集計した「働きがいランキング」、そしてワーク・ライフ・バランスや女性の就労環境など、環境面に関する投稿を集計した「働きやすさランキング」の3つだ。
サンプル数を確保するため、口コミの投稿者数が50以上の銀行を対象とし、分析には信用リスク評価会社「クレジット・プライシング・コーポレーション」の協力を仰いで、2007年7月から今年8月末までに投稿された口コミを集計。そのうえで自然言語処理などを行い、各行に対する評価をスコア化してもらった。組織や職場に関する改革が進捗していることにも配慮して、新しい口コミ投稿ほど高い得点になるよう傾斜配分している。
なお、オープンワークおよびクレジット・プライシング・コーポレーションは、個別企業の分析リポートの外販も行っている。 ■「組織文化」がよい銀行30社 まず組織文化ランキングの堂々1位は、石川県に本店を置く北国銀行だ。地方銀行の中では早くからデジタル化や働き方改革に着手。業務のペーパーレスや印鑑レスを進めたほか、ノルマも廃止している点が評価された形だ。20年に就任した杖村修司頭取の下、新規事業を矢継ぎ早に立ち上げており、「風通しがよい」「組織体制がフラット」といった口コミも多かった。