独財務相、連立相手に経済政策の独自案求める 政党間協議継続へ
Christian Kraemer [ベルリン 5日 ロイター] - ドイツのリントナー財務相は5日、自身率いる自由民主党(FDP)が先週打ち出した予算案によって連立政権が崩壊の危機に瀕したことを受け、経済政策について独自案を示すよう連立パートナーに求めた。 ネオリベラル的なFDPは公共支出削減、減税、規制緩和による経済再生案を提示。左派パートナーが反発し、環境政党「緑の党」の重鎮議員は温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の達成目標を5年間先送りすることを含む一部案について「挑発」だと非難した。 緑の党の事実上のリーダーであるハーベック経済相は5日、ターゲスシュピーゲル紙のインタビューに応じ、FDP案は社会正義の維持と気候保護を考慮していないと指摘。共通の道筋を維持することは困難だが、予算案で合意することは喫緊の課題だと述べ、合意が難航すれば早期選挙の可能性があると警告した。 リントナー氏は交流サイト(SNS)に「(緑の党は)私の提案を挑発だと思っている」と投稿。「対案は歓迎する。しかし、何もしないという選択肢はない」と記した。 ショルツ首相の社会民主党(SPD)と緑の党はともに、より介入主義的な経済政策を重視。一方、FDPはドイツの経済危機に対し、再分配的な支出ではなく、まったく新しい経済政策が必要だとしている。 リントナー氏とハーベック氏は5日、首相官邸でショルツ氏と2時間にわたって協議したが、連立崩壊を回避できるような妥協には至らなかったようだ。 ショルツ首相はさらなる政党間協議を計画していると表明。正式な党首会談は6日夜に予定されている。