サッカー伊東選手「虚偽告訴」を主張、女性「性被害は事実」と反論
性加害の疑いで刑事告訴され不起訴処分となったサッカー日本代表の伊東純也選手(31)が「事実無根の告訴で複数のスポンサー契約を打ち切られた」などとして、告訴した女性2人に2億円の賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が26日、東京地裁であった。女性側は「性被害は事実」として請求棄却を求めた。 【写真】弁論後に会見する伊東純也選手から性被害を受けたと訴える女性=2024年11月26日午後、東京・霞が関、米田優人撮影 デイリー新潮は1月、伊東選手らが昨年6月に大阪市のホテルで女性2人を酒に酔わせ、同意を得ずに性行為をした疑惑があると報じた。伊東選手は準強制性交致傷などの疑いで2人に告訴された一方、2人を虚偽告訴容疑で告訴。大阪地検が8月、いずれも不起訴(嫌疑不十分)とした。 伊東選手の代理人弁護士は26日の弁論で「(性加害の)物的証拠は一切なく、女性の供述は不自然に変遷している。告訴は明らかに虚偽だ」と主張。「虚偽告訴にいたる背景も徹底して解明したい」とした。伊東選手は出廷しなかった。 女性の代理人弁護士は伊東選手の提訴について「告訴に対する報復、いやがらせのためのもので、性被害者の心情への理解を欠く主張だ」と訴えた。 伊東選手の代理人弁護士は会見で「性被害者の保護は大事だと思っているが、(女性が)被害にあったと言えば、嫌疑を晴らすのが難しい状況がある。今後このようなことを起こしてはならない」と話した。 被告の20代女性は会見で、伊東選手による性加害は事実だと訴えたうえで「加害者に誠実な謝罪を求めたい。女性が同様の性被害を受けることを防止したい」と声を震わせた。 もう1人の被告の20代女性は、伊東選手とともに女性側に賠償を求めているトレーナーの男性から性被害を受けたと説明した。伊東選手側からの「虚偽告訴」との主張により、SNSで中傷され、つらい日々が続いたという。「(性被害は)真実だとわかってほしい」と訴えた。(米田優人)
朝日新聞社