“光る君へロス”の人も…NHK新大河ドラマ『べらぼう』が『光る君へ』を超えて刺さるワケ 「異色ビジネスドラマ」にハマる人、続出!?
さらに言えば、「光る君へ」は身分の高い平安貴族がメインの物語でしたが、「べらぼう」のベースになるのは庶民。現代人にとっても自分に重ね合わせやすい暮らしや文化であることも支持につながるのではないでしょうか。 ■貴重な「JIN」「大奥」の経験値 脚本を森下さんが手がけるもう1つの強みは、「JIN -仁-」(TBS系)や男女逆転版「大奥」(NHK総合)を手がけた実績。 時代劇の経験が豊富で、江戸時代の知識もあり、「大奥」で中期を描いたことも記憶に新しいところです。「入手した文献をすべて読み込む」という森下さんだからこそ、NHKならではの時代、文化、風俗、言語などの考証を消化した脚本が期待できるでしょう。
もう1つ、「べらぼう」の魅力としてあげておきたいのが、蔦屋重三郎という人物と、演じる横浜流星さんが醸し出す強烈な“陽”のエネルギー。 もともと大河ドラマは“日本唯一の年間ドラマ”だけに、どの作品の主人公も1年間見続けてもらえるほどの魅力を放つキャラクターが求められています。その点、蔦重は21世紀の大河ドラマでもトップクラスの好感度と共感度を持つ主人公になる可能性大。 蔦重は「親なし、金なし、画才なし……ないない尽くしの生まれ」「『べらぼう! (たわけ者)』と言われ、ときに妨害を受けながらも、目上の人々にぶつかっていく度胸」「地元の吉原を愛し、立場の弱い女郎を思いやる優しさ」「若き文化人たちに寄り添おうとする姿勢」など好感と共感が目白押しのキャラクターなのです。
■「クールなイケメン俳優」からの脱皮 演じる横浜さん自身、「底抜けに明るいキャラクター」「自分ではなく人のために考え、動ける人間」「度胸もあって責任感もあり、でもダサさもあって、とても人間くさく、共感できることがたくさんあります」などと語っていました。 少なくとも第1話の放送を見れば、「いかに蔦重が明るくエネルギッシュで魅力的な人物なのか」「いかに横浜さんが蔦重になり切ろうと努めているか」がわかるでしょう。明るく温かいから、人が集まってくる太陽のような主人公であり、日本中の人々に活力を与えるような存在になるかもしれません。