最優秀選手賞の神戸・武藤 高強度のプレーで2冠の立役者に 「慢心せず」精進誓う
10日に行われたJリーグの年間表彰式「Jリーグ・アウォーズ」で、神戸の2連覇に貢献した武藤嘉紀(32)が最優秀選手賞(MVP)に初めて選ばれた。 ◇ 神戸をJ1連覇、天皇杯とのシーズン2冠に導いた武藤が端正なマスクをほころばせる。攻守に高強度のプレーが持ち味のチームを象徴する32歳のアタッカーは、「歴史と名誉ある賞をいただき、心よりうれしく思う。支えてくれた家族にささげたい」と感謝を強調して喜びを語った。 13得点はチームトップ。11月30日の柏戦では後半追加タイムの同点弾で、自力優勝の可能性をつないだ。優勝を決めた最終節(12月8日)の湘南戦でも相手を突き放す2点目を奪うなど「値千金」のゴールは多い。前線からの献身的な守備も印象的で、決して平坦ではなかった連覇への道を切り開いた。 言葉でもチームを鼓舞し続けた。11月30日の柏戦は降格危機にあった相手に押し込まれる時間帯も長く、試合後に「試合に入り切れていない選手がいた。そういうのは必要ない」と活を入れた。厳しい言葉はチームを引き締め、最終節の快勝につながった。 言葉が届いたのも、ピッチ内外で真摯にサッカーと向き合う姿勢を仲間に見せ続けたからこそだ。連覇達成に続く栄冠に輝いたチームリーダーは、「成長できるように、慢心せず日々努力したい」とさらなる精進を誓った。(奥山次郎)