【江本孟紀×中畑清×達川光男が今シーズンを振り返る】DeNA下剋上も広島大失速も一刀両断「9月初め、新井監督に『優勝おめでとう!』と言って握手したのよ」
達川:9月に突入してもトップを走っていましたからね。 中畑:9月初めに(山本)浩二さんと2人で新井(貴浩監督)と話をして、「優勝おめでとう!」と言って握手したのよ(笑)。あの時点では負ける要素が全くなかったもんな。 達川:8月下旬に東京ドームでの巨人との首位攻防戦を2勝1敗で乗り切って、新井は“イケる”と思ったはずです。でも1位になったことで各チームがローテーションを変えてきた。巨人と阪神だけでなく、中日までエース級の高橋(宏斗)、小笠原(慎之介)、松葉(貴大)を広島にぶつけてきよった。全チームにターゲットにされたのが痛かったです。 江本:9月の広島は5勝20敗でしょう。きっちりしたクリーンナップが不在で、投手陣が持ち堪えられず最後にヘタッた。 中畑:カープの大失速がなければDeNAの3位はなかった。ペナントを盛り上げた一番の要因はカープだから、このあいだ新井には「お前、貢献したな」と言ってあげたよ(笑)。DeNAの勝因はピッチャーと守備。短期決戦で勢いをつけたことも大きかった。大輔(三浦監督)もシーズン中はともかく、CSに入ってから選手起用がズバズバ当たって作戦が全部ハマった。 江本:日本シリーズはソフトバンクが圧勝すると思ったけど、油断と慢心があった。村上(隆行)打撃コーチが「オリックスの宮城(大弥)のほうがDeNAの東(克樹)より断然いい」と言ったのも余計な一言でした。 達川:DeNAは運もよかった。巨人は故障者が出てCSは吉川(尚輝)がいなかった。悪いけど、CSのジャイアンツは坂本(勇人)、岡本(和真)、丸(佳浩)以外は名前の知らない選手ばかりでした。 (第2回に続く) 【プロフィール】 江本孟紀(えもと・たけのり)/1947年、高知県生まれ。1971年に東映入団。1972年に南海に移籍しエースとして活躍。1976年に阪神に移籍し、1981年の引退後は参議院議員、タレントとしても活躍。近著に『ミスタードラゴンズの失敗』(扶桑社) 中畑清(なかはた・きよし)/1954年、福島県生まれ。1976年に巨人入団。ムードメーカーの「絶好調男」としてチームを引っ張った。引退後は2012~2015年にDeNAの監督を務めた。現在は巨人OB会の会長を担っている 達川光男(たつかわ・みつお)/1955年、広島県生まれ。1978年、広島に入団し正捕手として活躍。引退後は広島監督や阪神などでコーチを務め、ソフトバンクでヘッドコーチとして日本一を経験した ※週刊ポスト2024年12月27日号
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