故プリンス、死後に【ソングライターの殿堂】入り
故プリンスが、現地時間7月27日に米ミネアポリスのターゲット・センターで行われた映画『プリンス/パープル・レイン』の40周年記念上映会で、死後に【ソングライターの殿堂】入りを果たした。今年【ソングライターの殿堂】が伝説的なソングライターを没後に表彰するのは、4月の故シンディ・ウォーカー以来2回目となった。 プリンスの長年の共同制作者であるギルバート・デイヴィソンから賞を受け取った際、プリンスの妹であるシャロン・L・ネルソンは、「彼の歌をいつまでも覚えていてください。偉大なソングライターとして名を刻むこと、これは彼が生前に最も望んでいた賞です」と語った。 なぜ【ソングライターの殿堂】(SHOF)は生前にプリンスを表彰しなかったのか? プリンスは2013年に殿堂入りに選出されたが、【SHOF】の方針として、ソングライターが正式に殿堂入りを果たすには、毎年開催される殿堂入りの式典とガラに本人が出席する必要がある。しかし、プリンスは数年間、スケジュールが合わず出席できなかった。 【SHOF】の会長兼CEOであるリンダ・モランは、プリンスのスケジュールを調整するために彼と協力していたと明かした。「彼は2015年末に連絡をしてきて、この賞が彼にとってどれほど重要か、そして2016年6月の式典に出席できる可能性があることを伝えました。私たちはそれを発表せず、サプライズにする予定でした。しかし残念なことに、プリンスはその2か月前の4月に亡くなってしまいました。長い道のりでしたが、世界で最も多作で驚異的なソングライターの一人が、ついに【ソングライターの殿堂】入りを果たしたことにとても感激しています」とモランは声明で述べた。 ソングライター、プロデューサー、ミュージシャン、そして2017年に【SHOF】入りしたジミー・ジャムとテリー・ルイスとともにミネアポリス・サウンドのパイオニアであるプリンスは、ジャンルを容易に横断してきた。彼はフルネームであるプリンス・ロジャーズ・ネルソンのクレジットで自身の全楽曲の制作に参加した。米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”のトップ10に19曲を送り込み、そのうち「When Doves Cry」「Let’s Go Crazy」「Kiss」(いずれもプリンス&ザ・レヴォリューション名義)、「Batdance」、そして「Cream」(プリンス&ザ・ニュー・パワー・ジェネレーション名義)の5曲は1位を獲得した。 プリンスはシーナ・イーストン、故ケニー・ロジャース、マドンナ、スティーヴィー・ニックス、パティ・ラベル、セリーヌ・ディオン、ケイト・ブッシュ、そしてバングルスを含む他のアーティストのヒット曲も手掛けた。彼のいくつかの曲も、チャカ・カーン、トム・ジョーンズ、故シネイド・オコナー、アリシア・キーズ、ポインター・シスターズ、そしてシンディ・ローパーなどのアーティストによってカバーされた。 プリンスは『パープル・レイン』で【アカデミー賞】と【グラミー賞】の両方を受賞した。また、彼が手掛けたチャカ・カーンによる1984年の名曲「I Feel for You」は【グラミー賞】で<最優秀R&Bソング賞>に輝き、故シネイド・オコナーの1990年のヒット曲「Nothing Compares 2 U」は<年間最優秀楽曲>にノミネートされた。