「うちの子、分かってるのかしら…」専門医に聞いた、“発達障害”の子に効果的な声かけとは
【4 ~6歳向け】具体的なほめ方フレーズ集
幼児期になって物事の理解が進むと、「上手」「すごい」という漠然としたほめ言葉より、行動したことを言葉にしてあげ、具体的にほめた方が子どもが喜んでくれます。 《食事》 ●「スプーンを正しく持てているよ」 ●「給食の野菜、がんばって食べたんだね」 ●「お皿ピカピカ!!」 ●「よくかんで食べているね」 ●「おいしそうに食べてくれて、ママうれしいな」 《絵本》 ●「〇〇を見つけたね。細かいところもよく見ているね」 ●「どれが食べたい? 〇〇が好きなんだね」 ●「新幹線が好きなんだ。かっこいいな」 《絵・工作》 ●「いろんな色を使えたね」 ●「ここの赤がステキだね」 ●「画用紙いっぱいに大きく描けたね」 ●「グイグイ力強い線だね」 ●「グッドアイデアだね!」 ●「おうちに飾っておこう」 《きょうだい関係》 ●「ママ、パパは〇〇(子どもの名前)が大好き」 ●「オムツを取ってきてくれてありがとう。ママ、助かるな~」 ●「△△(下の子の名前)と遊んでくれてありがとう」 《園生活》 【日常】 ●「今日も1日、がんばったね」 ●「(連絡帳をいっしょに読んで)今日は〇〇で遊んだんだ」 ●「帰って〇〇(子どもの名前)が好きなおやつ食べよう」 ●「おつかれさま。夕飯は〇〇と△△、どっちが食べたい? 選んでいいよ」 【 行事(運動会、発表会、参観日など)】 ●「名前を呼ばれてお返事できていたね」 (声を出さず、はーいと手を挙げるだけでも) ●「(運動会のかけっこで)最後まであきらめずに走れたね。 ママとパパは感動したよ」 ●「(お遊戯で)自分の場所に立てたね。 緊張したけど、がんばっていたのママ知ってるよ」
[POINT]
「○○くん、かっこよかったよ!」「かわいいね!」「えらかったね!」といった表現はたくさん使わないで。子どもの行動・状態をそのまま言葉にするだけでも、実はうまく伝わり効果があります。
〈著者プロフィール〉西村佑美
発達専門小児科医/一般社団法人 日本小児発達子育て支援協会 代表理事。日本大学医学部卒。小児科専門医。子どものこころ専門医。日本大学医学部附属板橋病院小児科研究医員。三児の母。最重度自閉症のきょうだい児として育ち、障害児家族に寄り添える仕事がしたいとの想いから医師を志す。2011年から日本大学医学部小児科医局に所属し、小児科医として大学病院に勤務。以降、のべ1万組以上の親子を診てきた。第一子出産後に発達障害についての専門性を深める中、自身の子にも発達特性があることが発覚。当事者家族として本格的な療育や知育、バイリンガル教育を行った経験を活かし、地方病院と大学病院で発達専門外来を新設する。しかし、医師という立場で育児の悩みに寄り添うことに限界を感じ、2020年「ママ友ドクターR」プロジェクトを始動。SNSでの情報発信や、主宰する「子ども発達相談アカデミーVARY」での活動等を通し、子育てに悩むママたちの支援を行ってきた。2024年、特性に対する新たな価値観と支援の場を社会に生み出すことを目的に、一般社団法人 日本小児発達子育て支援協会を設立。