問題を抱えた子どもたちが犠牲に。「プロブレム・ティーン産業」の闇
外来入院など、より健康的で安全な選択肢も存在する
自傷行為や重度のうつ病が見られた場合、子どもには急性入院治療がふさわしいかもしれない。しかし、時には子どもが家に帰ってきたときに進展が見られないことがある。 多くの親がプロブレム・ティーンのプログラムを利用するのは、このような重要な変節点においてである。インタビューを行った専門家のうち何人かは、外来入院など、より健康的で安全な選択肢があることを指摘している。外来入院では、子どもは日中は医療施設に行き、徹底的なセラピーと対処メカニズムのクラスを受け、夜は家に帰される。「その環境が子どもにとって健全であるならば、子どもを保護者や愛着の対象と一緒にしておくことを常に優先すべきです」とパトリキン。
有害なプログラムの見分け方
居住型プログラムを検討している場合、子どもにさらなるトラウマを与える可能性のあるプログラムを即座に除外するために適用できる、簡単な見分け方がある。 まず第一に、プログラムが「治す」ことを約束している場合は危険信号だ。第二に、プログラムが認可された医療施設または認定された教育機関でない場合は、そのプログラムは規制されていない可能性が高く、悪用されやすい。サラヴィッツは、さらに次のようにアドバイスする。「入所の際に子どもを連れ去る行為を許容している所は論外。毎日の電話が禁止されている所も行かないでください。さらに、監視なしで子どもと話すことができない所は大問題です」
精神衛生の分野において、絶対的な治療法は存在しない
以前紹介したことのあるバーモント州バーシャーの「マウンテン スクール」のような1学期制の寄宿学校と、プロブレム・ティーン産業の自然プログラムとでは、決定的な違いがある。 どちらの施設も、いくつかの目的(10代の若者に自然、肉体労働、コミュニティ活動を体験させる)を明言しているが、前者は子どもを「治す」と約束することは決してない。「精神衛生の分野では、“治療法”を持っている人は存在しません」とパトリキン。「それを主張しているとしたら、それはまったくの誤りです」。「National Outdoor Leadership School(NOLS)」などの野外体験プログラムでは、特に3カ月間の特定のスキルを習得に焦点を当てており、事前に決められた治療哲学からではなく、その遠征中の経験自体から学びを得ることを目的にしている。また、イリノイ州の「Adventure Works」などの一部のプログラムは、家族単位で行うアドベンチャーセラピーを提供しており、治療中は家族全員が一緒に過ごすことになる。