満身創痍でもNBAファイナルを戦い抜いたルカ・ドンチッチ、7月2日から始まるオリンピック最終予選にも参加の見込み
実現すれば4年連続でスロベニア代表でプレーすることに
マーベリックスのルカ・ドンチッチは、ケガを抱えながらNBAファイナルを戦っていた。レギュラーシーズン終盤から右膝と左足首に痛みがあり、NBAファイナルの初戦では相手選手との衝突で胸部打撲を負った。第2戦の試合前、コートに入ってきた時の彼の身体には分厚いサポーターが何重にも巻かれていた。それでも痛み止めの注射を打ってコートに立ち、「この舞台を楽しもう」と笑顔を見せてチームメートを鼓舞。それだけではなく42分の出場で32得点11リバウンド11アシストと活躍した。 しかし、肝心の勝ち星は挙げられなかった。ドンチッチはこれだけの数字を残しながら、最後まで気力と体力が続かず、勝負の第4クォーターは3得点4リバウンド2アシストと失速。ドンチッチはプレーオフの22試合のうち7試合でトリプル・ダブルを記録したが、これが最後のトリプル・ダブルとなった。 出場できるかどうかも怪しい状態だったため、シリーズを通してコンディションについての説明を求められたが、ドンチッチはまともに取り合おうとはしなかった。プレーオフに入ってすぐの段階で「レギュラーシーズンだったら休んでいたと思う」と話したのが、弱音らしきものを吐いた唯一の場面。その後は「痛みがないわけじゃない」であったり「ベストコンディションとは言えない」という言葉しか使わなかった。 第5戦を落として敗退が決まった時にも「ケガの程度は結果に関係ない。僕たちは負けた。僕は試合に出て、勝つのに十分な働きができなかった」と語るに留めた。NBAファイナルまで来て優勝を逃せば、落胆もするしイライラもする。執拗な追及に「今はその話をしたくない。ダラスに戻ってからの会見で話すよ」とドンチッチは言ったが、結局その会見は行われないままチームは解散した。 マブスでシーズン最後の会見に応じたのはニコ・ハリソンGMだけだったため、彼がドンチッチに代わって答えることになったが、具体的にどこをどう痛めているかには決して触れなかった。「ルカが複数のケガを負っているのは、歩き方や走り方を見るだけで明らかだ。しかし、彼は戦士だから乗り越えるよ」 「スロベニア代表でプレーすることは、ルカにとって最大の喜びだ。だから、歩けないのでなければ代表チームでプレーするだろうね」 スロベニアはオリンピック出場のために、7月2日からの世界最終予選を戦う。開催国ギリシャ、ドミニカ共和国を含む6チームが参加する大会を勝ち抜かなければパリへの道は開かれない。ドンチッチはスロベニア代表に強い愛着を持ち、2021年の東京オリンピック、2022年のユーロバスケット、昨年のワールドカップと代表活動には毎年している。今回も極めて厳しいスケジュールとなるが、ハリソンGMの言うように『歩けないのでなければ』代表でプレーすることを選ぶだろう。