「新しい自分にわくわく、幸せな時間でした」引退する元日本代表リベロが語る久光スプリングスでの最後の1年【Vリーグ女子】
「リベロなんですけど、実は…」
―久光での忘れられない試合を教えてください。 「けがをした日立戦もそうですが、翌日のNEC(レッドロケッツ)戦もですね。私自身プレーができなかったので複雑な気持ちがあったのですが、あの試合のメンバー一人一人の『(けが人を含めた)みんなのために戦う』という気持ちがひしひしと伝わってきて…。優勝には届きませんでしたが、私にとって特別な2試合です」 ―仲間との出会いが何よりうれしかったと聞きました。 「キャプテンの大竹(里歩)選手、濵松(明日香)選手、吉武(美佳)選手、深澤(めぐみ)選手…大竹さんはいろいろ気に懸けてくださって、その時々の心情を話してくれました。吉武選手には、あの明るさ、そしてあの笑顔に救われました。深澤選手とは…彼女は本当に頑張り屋さんなんです。その姿を目にしながら、私もやらなきゃと言い聞かせていました」 ―チームに日本代表の西村弥菜美選手がいる中、酒井新悟監督はサーブ力も兼備した花井選手を「リリーフサーバーから後ろ3ローテーションでの守備固め」で起用しました。チームにとって貴重なオプションでした。 「私…ポジションはリベロなんですけど、実はサーブが得意なんです(笑)。これまでバレーをやってきて、一番力を入れて取り組んだのがサーブとレシーブでしたから。大学でもピンサー(ピンチサーバー)で出て、そのまま後ろ三つということが多くて、それで点を取れるのがサーブでしかなかったので(笑)、磨いてきたことが、最後に少しでもチームのためになれたとしたら、こんなにうれしいことはありません」
西日本新聞社