板垣李光人&中島裕翔「秘密」でバディに! 初共演の2人が語るお互いの魅力とは?
――この物語の世界観から感じた魅力は? 板垣 「現代の技術ではまだないMRIという捜査方法はもちろん、ミステリーと事件、さまざまな人間とのヒューマンドラマのバランスが良く、没入してしまいます。MRI捜査ってリアリティーはないですが、それでも感情移入ができるし、心を動かされるところがすてきだなと。ドラマ化する上でも現実離れしたMRI捜査という要素があるからこそ、芝居の部分やキャラクターのビジュアルを作っていく上でもリアリティーを持った見せ方をする。原作を読んでいる方も引き込めるように、生身の役者として、地に足をつけた作品を作っていきたいです」 中島 「第九はギリギリ認められていそうで認められていないような捜査機関。実際にこういう捜査があったら、確かにすごいですが、いろいろな問題が絡んでくるとも思います。人って誰しも、過去や秘めている思いなど、見られたくないものがある。誰もが持っている二面性、本音と建前があって、その本音の部分を追求していくことで、人間の魅力が分かっていくところが今作の魅力だなと。脳をのぞくという行為で、本音や秘めた思いまで見えちゃう。そして、人間の脳って意外と曖昧だなとか、ご都合主義だなと感じられるところも純粋に興味深いと思ってもらえるポイントかなと」 ――2人の“切ないバディ”の関係についてはどう感じましたか? 板垣 「鈴木から『そんな笑顔を見せてくれるなら深夜料金くらいいくらでも払うよ』と言われるセリフがあるんです。薪を演じると分かっていて、感情移入しながら読んでいたからなおさらだと思いますが、原作のそのシーンを読んで、泣いたんです。幼い頃に両親を亡くして、育ての親もいろいろあり、複雑な人生を歩んできて、愛情や対人間とのコミュニケーション不足のなか生きてきた薪が、一番求めていた言葉を掛けてくれる鈴木という人間に出会った。薪にとって鈴木は、家族でも恋人でも友人でもない、超越した存在。その存在を失うことは、想像を絶するものだと思います。そのことで薪が痛みを抱え、彼の心の層になっている部分が細かくて厚くなっている。その繊細さは薪にとって大事なところで、自分が演じる上で好きなところでもあり、とてもやりがいがあるとも思います」 中島 「薪の過去に何があったのか、鈴木はどういう人物だったのかを無謀にも知ろうとする青木が出てくるんですけど、それを経て青木なりに薪をおもんぱかって、側で支えようという後輩なりの思いやりが出てくる。一人二役は難しいですが、鈴木も青木も一貫して薪を思っているところは大事にしたいなと。だから、普段から板垣くんのことを観察したいなと思います。『大丈夫かな? 疲れていないかな』って(笑)」