年金手取り「月20万円」はどれほど大変か、現役時代に必要な驚きの年収額とは…不足分を補う6つの方法
■ 年金を手取りで「月20万円」もらうには 年金を手取りで「月20万円」もらうには、年金額面が月23万5300円でした。 年間に換算すると、282万3600円です。このうち、老齢基礎年金は81万6000円ですから、老齢厚生年金は200万7600円もらえれば良い計算です。 老齢厚生年金は年収と加入期間の2つの要素がありますので、加入期間は以下の2つの場合の年収を計算することにします。 (1) 22歳から60歳までの38年間(456月)加入 (2) 22歳から65歳までの43年間(516月)加入 ■ 22歳から60歳までの38年間(456月)加入 老齢厚生年金額(200万7600円)=標準報酬月額×0.005481×456 つまり、標準報酬月額=約80万3000円必要だとわかります。 しかし、標準報酬月額の上限は32等級で65万円です。 老齢厚生年金額は、65万円×0.005481×456か月=約162万5000円ですので、200万7600円に足りない金額は38万2600円です。 この分を、賞与からの厚生年金保険料で補います。 賞与の場合は、標準報酬月額のように等級があるわけではなく、賞与の支給総額から1000円未満を切り捨てて計算します(標準賞与額)。 標準賞与額×0.005481×38年=38万2600円 つまり、標準賞与額=約184万円必要だとわかります。 年間の賞与(1~3回)の合計が約184万円ならば、厚生年金が38万2600円になるというわけです。 以上より、年金を手取りで月20万円もらえる人の現役時代の年収は946万円(762万円+184万円)となります。 ■ 22歳から65歳までの43年間(516月)加入 老齢厚生年金額(200万7600円)=標準報酬月額×0.005481×516 つまり、標準報酬月額=約71万円必要だとわかります。 しかし、標準報酬月額の上限は32等級で65万円です。 老齢厚生年金額は、65万円×0.005481×516か月=約183万8000円ですので、200万7600円に足りない金額は16万9600円です。 この分を、賞与からの厚生年金保険料で補います。 標準賞与額×0.005481×43年=16万9600円 つまり、標準賞与額=約72万円必要だとわかります。 以上より、年金を手取りで月20万円もらえる人の現役時代の年収は834万円(762万円+72万円)となります。 上記で算出された年収「834万円」「946万円」は、20代、30代などと一般に給与が少ない時期も含め生涯を通じての年収です。実現性はかなり低いことがわかります。 65歳から年金を手取りで月20万円もらうことは非常に難しいということです。