訪英中の天皇皇后両陛下、公式晩さん会に出席 総選挙直前で変更点も
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国賓としてイギリスを訪問中の天皇皇后両陛下が25日、英国王チャールズ3世が主催する晩さん会に出席した。 チャールズ国王は晩さん会でのあいさつで、両陛下に「英国にお帰りなさい」と日本語で語り掛けたほか、乾杯の音頭も日本語で行った。 これにに対し天皇陛下は、若い頃に英オックスフォード大学で学生生活を送ったことをとても楽しんだと語った。 日本からイギリスへの公式訪問は、1998年以来初めてとなる。2020年にも予定されていたが、新型コロナウイルスのパンデミックにより中止となった。 イギリスでは7月4日に選挙が行われる予定で、選挙期間中の国賓訪問は、現代になって初めてだという。 晩さん会をめぐっては、座席配置の政治的な意味合いに関心が集まった。 リシ・スーナク首相は、国王やカミラ王妃、ウィリアム皇太子など、英王室の要人が座る上席テーブルには座っていなかった。 最大野党・労働党党首のサー・キア・スターマーは、国王の私設秘書であるサー・クライヴ・オルダートンの隣に座っていた。 両党党首は26日夜、テレビ討論に参加する予定だ。 また、今回の公式訪問では、首相官邸の訪問や、スーナク首相との公式会談は行われないことになった。 漆塗りの工芸品を贈呈 両陛下はこの訪問で、チャールズ国王には漆塗りの工芸品を、カミラ王妃には錦織のハンドバッグを贈るなどした。漆器は、今年1月1日発生した能登半島地震で被害を受けた、輪島市の伝統工芸品だ。 チャールズ国王は、天皇陛下に銀と金のビーカーを贈った。これは通常、ラフロイグ・ウイスキーを注ぐのに使われるが、国王は今回、日本企業が所有するアバディーンシャー蒸留所のグレンギャリーを贈った。 カミラ王妃は、皇后さまに縁起物のモチーフをあしらった手作りの扇子を贈った。 両陛下は、フランシス・クリック研究所、王立植物園「キュー・ガーデンズ」、そして英オックスフォード大学のそれぞれのコレッジを訪問する予定。
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