停戦合意発効、おおむね順守 レバノン南部に避難者戻り始める
[ワシントン/ベイルート/エルサレム 27日 ロイター] - イスラエルとイラン支援下にあるレバノンの武装組織ヒズボラの戦闘を巡るイスラエルとレバノンの停戦合意が、現地時間27日午前4時(日本時間同11時)に発効した。 停戦履行を支援するレバノン軍は、同国南部への派兵を準備していると表明。国境付近の住民に対し、イスラエル軍が撤退するまで帰宅を見合わせるよう求めた。 27日午前の段階で停戦はおおむね守られているが、イスラエル軍はヒズボラのスパイが国境付近に戻ろうとしたため、威嚇射撃をしたことを明らかにした。 停戦発効後、レバノンの首都ベイルート全土では銃声が響いた。祝砲の可能性がある。 ロイター記者はここ数カ月のイスラエルの攻撃を受けて避難してきた人々を乗せた車がレバノン南部に戻り始めているのを確認した。国旗を掲げ、クラクションを鳴らす車やVサインを掲げる女性の姿が見られた。 避難民が帰るとみられる村の多くは破壊されているが、避難先で借家住まいを強いられていた一部の避難民は、自宅に戻れば家賃を節約できるとロイターに語った。 ただ、イスラエル軍が完全に撤退しておらず、不安が残るとして、レバノン軍の許可が下りるまで帰宅を見合わせると話す避難民もいた。 ヒズボラは停戦について正式にコメントしていないが、幹部でレバノン議会の議員でもあるハッサン・ファドララ氏はレバノンのアルジャディードTVに対し、レバノン国家の権限拡張を支持する一方、ヒズボラはこの戦争からより強く立ち上がるだろうと語った。 イランは停戦を歓迎すると表明した。 イスラエルのネタニヤフ首相は先に、停戦合意を履行する用意があるとテレビ演説で言明。その上で、米国との全面的な連携を強調し、「われわれは完全な軍事行動の自由を保持する。ヒズボラが合意に違反したり再武装を試みたりすれば、断固たる攻撃を仕掛ける」とした。 フランスのバロ外相はラジオ局フランス・アンフォに「武力は対話と交渉に道を譲らなければならない。これはレバノンで達成されたことであり、ガザ地区でも可能な限り早期に達成されなければならない」と発言。 イスラム組織ハマスの幹部、サミ・アブ・ズーリ氏はロイターに対し、自国民を保護するために合意を締結したレバノンの権利を「高く評価する」とし、ガザ戦争終結に向けた合意を期待していると述べた。