「創造館茶会」閉館受け今年が最後 3流派が垣根こえて38年【長野県飯田下伊那】
長野県飯田下伊那地域の茶道3流派が一堂に会する「飯田創造館茶会」(県飯田創造館主催)が27日、飯田市小伝馬町の同館で開かれた。茶人の交流などを目的に38年続けてきたが、来年の閉館に伴い今年が最後。約260人が来場し、大日本茶道学会、表千家、裏千家の各流派によるもてなしを楽しんだ。 茶道文化の普及や流派をこえた交流を図るとともに、初心者でも気軽に参加できる茶会を―と毎年開いてきた。茶会の立ち上げに携わり、実行委員長を務める矢澤清見さん(78)=表千家同門会長野県支部飯田地区長=によると、異なる流派が集まる茶会は珍しいという。 1枚1500円の茶券で3流派の席を楽しめる。今年は大日本茶道学会が広間、表千家と裏千家が立礼の各席を担当した。 席では3流派がそれぞれの作法にのっとって茶と和菓子を提供。参加者は道具の由緒などの説明を聞きながら一服を堪能し、季節の花や掛け軸をこしらえた空間でゆったりとしたひとときを過ごした。 矢澤さんは38年の歴史に幕が下りることを惜しみつつも「ここまで長く続けられることができ感無量」と協力者に感謝。「家族や友人で誘い合って初心者の方もたくさん参加してくれた。地域の茶道文化の発展に貢献できたと思う」と振り返った。