「営業先でキャリケースをゴロゴロ転がす」は三流、一流が心掛けている「ルール」と「マナー」の決定的違い
■先方のオフィスでキャリーケースをゴロゴロしない 基本的なマナーを守ることは、営業として「失点」をしないための条件です。 ところが、意外とマナー違反をしている人は多いのが現状です。 ここでは、“やりがちなマナー違反”をいくつか紹介しますね。 例えば、コート。 商談の際、隣のイスに畳んで置いていませんか。 これは完全なマナー違反です。 コートはレインコートと同じ扱いで、“汚れたもの”の扱いだからです。 いったんは、自分の鞄の上にコートを畳んで置きます。 お客様から「おかけしますよ」とお声がけをいただいたら、甘えても構いません。 そして、その鞄を置く場所にもケアが必要です。 間違えても隣のイスに置いてはいけません。 これも、コートと同様に“汚れたもの”の扱いだからです。 事務所に伺って商談をする際は、床に置きます。 ご自宅に訪問する際は、ハンカチを下に敷くといいでしょう。 出張で営業に行く際は、キャリーケースをゴロゴロ転がしながら営業に行くことはないでしょうか。 先方のオフィスに入ったタイミングで、ゴロゴロと転がすのはやめた方が無難です。 私は、先方の屋内に入ったタイミングでキャリーケースを持ち上げて運ぶようにしています。キャスター(車輪)は汚れているものだからです。 お客様から何度か言われたことがあります。 「ぜひ、転がしてください。でも、やはりプロですね」と。 話を伺うと、ご自身もそうしているというお客様も多いもの。 マナーの本には載っていないプロ営業の“見せ方”です。 ■営業の鉄の掟「靴」を磨かないと2つの意味で失礼 そして大切なのは靴。 靴を磨いておくのは営業の「鉄の掟」といってもいいでしょう。 「足元を見られる」という言葉がありますが、営業では「靴」を見られる意味で用いられることもあります。これには2つの意味があります。 1つは、靴の手入れができていない人は、いくら着飾っても、いくらいいことを言っても、人格としてはいい加減に見えてしまうという意味。 見えないところ、つまり足元が信用のバロメーターになるのです。 もう1つは、汚れた靴で、先方の敷地に入ることへの無神経さを戒める意味です。 汚れや剥げ、踵のすり減りはないようにしておきましょう。 ネイルにも気を付けた方がいいでしょう。 私が講師として営業研修に登壇した際、このようなシーンがありました。 後ろから様子を見ていた営業部の責任者が、休憩に入ったとたん、ある受講者に声をかけられたのです。 「そのネイルで、銀行のお客様や、規律の厳しいメーカーや小売業のお客様に伺うと心象としてよくないと感じるけど、どう思う?」と。 確かに、ちょっと派手なネイルでした。 自分の趣味ではなく、先方に合わせるのが営業では肝心です。