【デーブ大久保コラム】11連勝というのは実力の証しです。ロッテの快進撃は続くはずです
交流戦も中盤に入っていますが、先週の土曜日の時点でロッテが直近15試合負けなし、11連勝していました。日曜日の試合は締め切りの都合上分かりませんが、12連勝をしても、もう驚かない状況です。 【選手データ】小川龍成 プロフィール・通算成績・試合速報 弱いチームが勢いに乗って何連勝かするときはあります。でも、11連勝はまぐれでもなかなかできないこと。真の実力が付かないと10連勝以上はできない。特にプロのリーグ戦で実力は拮抗しているので、大型連勝ができる確率は低いのです。 私がすごいな、と思うことは11連勝ではなく、4つも負けずに引き分けたことです。約2週間以上も負けの雰囲気を味わっていないんです。これは非常に精神的に大きく響いていきます。実際に交流戦に入ってからヤクルトとの第2戦目は9回に同点に追いつき、引き分けに。さらには第3戦目も同じような展開でこちらも引き分けに持っていきました。 ここまでくると9回までに1点差なら何かが起こるんではないか、という気持ちになってきます。案の定、阪神との2試合では9回に追いつき、延長でサヨナラ勝ち。勢いもありながら、しっかりと勝ちゲームにつなげる試合展開が行われているからこそできるのです。 そこにはやはり投手陣が最少失点で抑え切るという役割を果たしている部分も大きいのかなと思います。先発もある程度は試合をつくってリリーフに託し、リリーフもそこを守り切れるからこその11連勝です。土曜日までの交流戦5試合の数字を見ていると、19得点を挙げていますが失点は15点。その差は+4点で、いかに僅差をものにしてきているかが分かりますよね。 この強さの要因の一つには吉井(吉井理人)監督の優しさと我慢強さがあるのかなと思います。そして福浦(福浦和也)ヘッドコーチ兼打撃コーチが生え抜きならではの良さを持っている。さらには戦略コーチとして、攻撃のときには吉井監督の傍らに、金子誠がいます。日本ハムで長くコーチを務め、日本代表でのコーチ歴がある金子戦略コーチの役割は大きいのではないかと思いますね。 こういうコーチ陣というのは、得てして「結果」で何かを言うことはないことが多いです。一度のミスを責めることはしない。だから選手たちは思い切りプレーしやすいのではないかと思うのです。 実際に野手陣も若手がたくさん出てきて活躍しているイメージです。その中で11連勝、15試合連続で負けていないことで、ほかのチームの若手よりも1.5倍くらいの速さで成長をしているはずです。これからのロッテは目が離せないですね。現在は勝率が6割。ものすごく高い勝率です。本来なら1位争いをしてもおかしくないのですが、ソフトバンクがその上を行く勝率6割8分くらいで走っています。信じられない勝率ですが、今のロッテならあきらめずに食らいついていくはずですし、それを期待したいですね。
週刊ベースボール