1300人の社員を抱える企業が注目するパデルの可能性。日本代表・冨中隆史が実践するデュアルキャリアのススメ
シンプレクス・ホールディングス株式会社は、2022年にパデル日本代表チームとパートナーシップを締結し、世界への挑戦をサポートしている。そのグループ会社であるXspear Consulting(クロスピア コンサルティング)株式会社に所属する冨中隆史は、パデル日本代表とコンサルタントの2足の草鞋を履いている。コンサルティング業とアスリート業の相乗効果や、多様な働き方に理解のある会社に所属することで感じる働き甲斐とは? (インタビュー・構成=松原渓[REAL SPORTS編集部]、撮影=福村香奈恵[セイカダイ])
サポート企業で働く意義と会社への“還元”
――冨中さんが勤めているシンプレクスグループはパデル日本代表チームをサポートしていますが、普段からサポートを感じることはありますか? 冨中:日本代表の試合があるときに、会社の方みなさんがすごく応援してくださるんですよ。仕事で残業しているときにはいろいろな方から声をかけてもらえるので、そういうときは本当にありがたいと感じます。大会で1週間、会社を休まなければいけないときなどは、スケジュール面でも配慮していただいているので。会社や仲間には申し訳ないですが、恵まれた環境だと思います。 ――その限られた時間の中で業務を確実に遂行するために、心がけていることはありますか? 冨中:シンプレクスグループの哲学で「5DNA」という5つの行動規範(ナンバーワン、クライアントファースト、コミットメント、プロフェッショナリズム、グルーバル)があるんですが、その中で私が一番大事にしているのは「コミットメント」という理念です。パデルもやっているので、仕事に割けるリソースは限られていますが、時間がないことを理由に妥協することは絶対にしないようにしています。クライアントに納得していただけるものをアウトプットすること、目標に向かってやり遂げることは意識しています。 ――その姿勢は、パデルをやるときにも通じるのでしょうか? 冨中:何事にも妥協しないというところは、パデルでも大切にしています。日本代表を目指しているジュニア選手たちの模範になれたらいいですし、見られても恥ずかしくないぐらいの姿を示したいですから。仕事の後にトレーニングの時間をとっていますが、忙しいときや体調でどうしても行けないこともあります。でも、そういうときは他の日に振り分けるなど、時間をやりくりしながら工夫しています。もちろん体を壊してしまったら本末転倒なので、そこは自分の体と相談しながらですけどね。 ――パデル日本代表の活動を通じて、会社にはどのような貢献をしたいと考えていますか? 冨中:パデルは今、世界的にすごく成長しているスポーツで、日本も追いつき追い越せ、という思いで頑張っているところです。今後、日本で競技の認知度が広がっていけば、サポートしてくださっているシンプレクスグループの認知度も高まっていくと思うので、まずは来年2月のアジア大会で結果を残したいと思っています。