プライバシーサンドボックス のテストプログラム、エージェンシー各社が提案へ
新時代への移行
グループエムのエージェンシーであるエッセンスメディアコム(EssenceMediacom)でグローバル最高データおよび技術責任者を務めるリチャード・ムーニー氏は、このプログラムへの参加はプライバシーサンドボックスのAPIに直接影響を与えるチャンスである、と説明する。GoogleのChromeチームがプランの改良を念頭に置いているからだ。 「検討されてきた仮説を実際に検証し、広く利用できる形で提供する絶好の機会だ」と、ムーニー氏はジャーナリストとのブリーフィングセッションで語り、「彼ら(参加するクライアント)は匿名化された結果を集計して、全体としてのパフォーマンスから知見を得ることもできる」と話した。また、「基本的に、このプログラムは過去数年間で我々が学び理解したすべてのことを実際の環境に適用し、広告主がマーケティングの効率への影響を正しく理解できるようにするものだ」と述べた。 2社のプレスリリースによれば、すべてのテストは既存のメディアプランと予算の範囲内で行われ、クライアントに追加投資の必要はないという。 メディアモンクス(Media.Monks)の機械学習・AIソリューション担当シニアディレクターであるマイケル・ヌヴー氏は、これとは別のDIGIDAYの取材に応じ、自社でも同様にプライバシーサンドボックスの新時代への移行に伴って検証に取り組んでいると述べている。移行後、DSPなど一部のアドテクプロバイダーがサードパーティCookieに依存する機能を撤廃するため、広告キャンペーンを洗練させるためのユーザーデータが、(現状と比べ)大幅に減少する見込みだ。 プライバシーサンドボックス準備プログラムに参加するクライアントを獲得しようという、グループエムの取り組みが成功するか失敗するかは、同社が計画している戦略転換にとって決定的に重要なものになるだろう。同社のメディアバイイング部門では、クライアントの減少や横ばいの売上予測といった不調のなか、北米地域CEOであるカーク・マクドナルド氏が退任を控えている。