「オープンソースAI」の定義をOSIが発表。テック企業の思惑に対抗できるか
AI、人工知能と聞いて、回線帰路モデルを思い浮かべる人もいれば、SFチックな殺人ロボットを想像する人もいるでしょう。 アメリカの州議会では、嘘だらけのディープフェイクを禁止するために書かれた文言がスペルチェックにも適用されるかどうか、といった議論が行われていたりしますが、そういった少々おまぬけな議論を防ぐためにもきちんとした定義付けは必要なのかもしれません。
オープンソースAIとは?
オープンソースの権利を擁護する非営利団体、オープンソース・イニシアティブ(Open Source Initiative)(以下OSI)が、「オープンソースAI」の意味について定義しました。 新しい定義では、あらゆる目的に対して許可なく誰でも使用できる、誰でもその仕組みを研究、修正できる、またそれらを他の人と共有できるものがオープンソースAIとされています。構成要素やウェイト、トレーニングデータなどもいじれることが条件のようです。
マーケティングでは誤用されがち
Google(グーグル)やApple(アップル)などのテック企業は、マーケティングにおいて「オープンソースAI」をよく謳っていますが、実際、その広告の中でオープンソースが何を意味しているのかは曖昧な部分も多く、都合よく解釈して使っているのでは?という批判も見受けられます。 たとえば、Metaは「Llama」をオープンソースとして宣伝していますが、新しく定義されたものに当てはめると、これはオープンソースとは言えないでしょう。Llamaは、開発者がMeta社のライセンス条件に従う場合に限り無料で使用でき、コードの一部が公開されるという仕組みになっています。他の大規模言語モデルの改善など、一部の商用目的で使用する場合にはライセンスの制限が課せられます。 安全性を保つために、法律に違反することや危害を及ぼす可能性のある使用は全面的に禁止されています。なお、Meta社が公開しているLlamaモデルのトレーニングデータは一部であり、完全には公開されていません。 また、2023年にはMetaとIBMが中心となって「AI Alliance」と呼ばれるロビー活動連合が発足しました。ここではMetaの特定のオープンソーステクノロジーに利益をもたらすようなポリシーが提唱されていたりもします。