三田村邦彦『おとな旅あるき旅』エンディング曲をデュエットする美人演歌歌手と舞台で再共演「幕が開くのが楽しみです」
『必殺仕事人』シリーズの飾り職人の秀や、『太陽にほえろ!』のジプシー刑事をはじめとする人気ドラマで一世を風靡し、71歳となった現在も渋い二枚目俳優として活躍する三田村邦彦のTHE CHANGEとは――――【第1回/全4回】 ■【画像】三田村邦彦と丘みどりがデュエットした『おとな旅あるき旅』エンディング曲「あなたと、君と」 「ぼくは巳年生まれですから、令和7年は6回目の年男。とは言っても、自分の年齢がピンときてませんね。テレビのニュースで犯罪者が70歳なんて言ってると“70歳にもなって何やってるんだ!”と思った直後に、“あ、オレはもう70歳過ぎてるんだった”と思ったり(笑)」 と笑う姿は、とてもじゃないが71歳とは思えない。 俳優はもちろんのこと、歌手として、MCとして多忙な日々を送りながらも週に5日は、6キロのランニングと2キロのウォーキングをして体力を維持。現在は、2025年1月2日からの舞台『おちか奮闘記』の稽古真っ最中である。 「ぼくが演じる浄瑠璃三味線の名手・豊澤団平を支える妻・おちかの奮闘を描いた作品なんですけど、なにしろ三味線の名手ですから大変です。ぼくはギターをやるし、チェロや1弦琴を弾く役もやったことはあるけど、いやぁ、三味線は難しいですね……」
主演の丘みどりとは旅番組で共演以来のご縁
半年ほど前から三味線を借りて練習し、なんとか弾けるようにはなったというが……。 「YouTubeで現在の浄瑠璃三味線を見て、“舞台で自分が弾くのは無理だな”とあきらめました。そりゃそうですよ、半年やそこら練習したところで、名人の音なんて出せるわけが無い。三味線を持つ姿が様になるようにするのが精一杯です」 主人公のおちかを演じるのは、この作品が初舞台で初主演の演歌歌手、丘みどり。 「ぼくがMCを務める旅番組『おとな旅あるき旅』に丘さんが出てくれたときからのお付き合いで、2021年にはこの番組のエンディングテーマ曲『あなたと、君と』をデュエットしたんですけど、これがもう、めちゃくちゃいい曲なんですよ。令和のデュエットソングはこれで決まり! と思ってます(笑)」 三田村と丘は、2025年に全国公開される映画『晴れの国』でも共演しているが、キャスティングについてのエピソードを披露してくれた。 「ぼくが仙人と呼ばれる謎の男を演じることが決まったのは、ちょうど『あなたと、君と』をリリースした直後くらいだったんですけど、あるときプロデューサーから“三田村さん、丘みどりさんってご存じですか?”って聞かれたんです。“知ってますよ”と答えたら、“いえ、存在を知っているかということじゃなくて、個人的にです”というので、“個人的というのがどういう意味かわからないけど、つい最近、デュエット曲を出しました”と言ったら、ものすごく驚いて(笑)」 プロデューサーによると、俳優として丘みどりを『晴れの国』にキャスティングしたいと考えているという。 「ぼくが知っている丘さんは裏表がなくて熱意あふれる努力家ですよ、とお伝えしたら、“よし、やっぱり丘さんしかいない!”と、勇んで口説きに行きました」 映画はコロナ禍による撮影中断もあったが、無事に完成。と同時に、ふたりは舞台で再び共演することになった。 「以前から舞台のオファーはあったそうですが、歌手の仕事を優先したいからと断ってきたそうなんですね。今回、思い切って受けられて、共演者としてとても嬉しく、幕が開くのが楽しみです」 そんなふうに語る三田村邦彦だが、実は彼の俳優人生は「断る」ことで前に進んできたという――――。 三田村邦彦(みたむら くにひこ) 1953年10月22日生まれ、新潟県新発田市出身。1979年に映画『限りなく透明に近いブルー』でデビュー。同年『必殺仕事人』(テレビ朝日)の飾り職人の秀で注目され、『必殺』シリーズのドラマ、映画に多数出演。1980年に『必殺仕事人』の挿入歌『いま走れ、いま生きる』で歌手デビューし、シングル・アルバムを多数リリース。俳優としての主な出演作は『必殺』シリーズのほか、ドラマ『太陽にほえろ!』(1982-1983 日本テレビ)、映画『太陽の蓋』(2016)、舞台『かたき同志』(2021)『アンタッチャブル・ビューティー』(2022)など。2009年より旅番組『おとな旅あるき旅』(テレビ大阪)のMCを務めている。 工藤菊香
工藤菊香