摘発続く違法賭博店、カジノ合法化でギャンブル環境は改善できるのか
バドミントン日本代表選手の関与で現在クローズアップされている違法カジノですが、その実態はどうなっているのでしょうか。刑法で賭博が禁じられている我が国では、特別な法の規定がある一部のサービスを除き、原則的に全ての賭博が違法となっています。現在、我が国のカジノ合法化を推進するIR推進法と呼ばれる法案が国会に提出されているものの、それらは未だ審議も始まっていません。すなわち、現時点の我が国においては、国内で行われる全てのカジノ賭博は違法となります。 これら違法なカジノ賭博を提供する店舗は、全国の主たる都市の繁華街の雑居ビルなど人目に付かぬようにひっそりと存在しているといわれます。店の扉に看板はなく、インターホンと監視カメラが設置されているのみ。インターホンを押し、カメラでの確認を経なければ入場ができません。このような全国の違法カジノ店に関しては、残念ながら正確な統計は存在していませんが、警察庁統計によると毎年このような違法賭博店の検挙が70~100件程度行われています。そこから類推すると全国に数百程度はこのような業態が存在しているこことになります。また一説には、都内だけで少なくとも50軒ほどは存在するのではないかと言われています。
違法カジノでは行われているゲームとは?
一般的にカジノのメジャーゲームといえばブラックジャック、バカラ、ルーレットの3種となっていますが、我が国の違法カジノで提供されているゲームはバカラの比率が圧倒的に多いと言われます。 バカラとは、トランプを使って勝負を行う仮想のプレイヤー2人に対して、客が勝敗を予想して賭けるゲームです。賭け方としては「右が勝つ」、「左が勝つ」、もしくは「引き分ける」の3通りしかなく、カジノゲームの中では最もシンプルなゲームのひとつです。しかし、この単純なルールの中に「ゲームの流れ」や「法則性」を読み取ることに楽しみを覚える客も多く、日本のみならずアジア圏においては絶大なる人気を誇るゲームとなっています。また、このバカラはあらゆるカジノゲームの中で最も大きな金額が動くゲームでもあることでも知られており、諸外国の一般的なカジノにおいては1ゲームで最低2000円前後から、最高で数千万から億くらいまでの賭けを受けるゲームが存在します。 伝統的な違法カジノはこのような実際のテーブルゲームを設置し、ディーラーを配置して運営が行われるものです。一方、近年では店内に設置したPCから海外のオンラインカジノに接続させ、客にカジノ賭博を行わせる「インターネットカジノ店」と呼ばれる違法賭博店が急増しています。このような店舗は、ただPCが並ぶだけのインターネットカフェのような作りをしており、特殊な機材や人材(ディーラー等)の調達が必要となる伝統的な違法カジノ店と比べて、非常に低コストかつ短期間で出店が可能となります。 現在、低レート(賭け金が低い)カジノ店は、その多くがこのようなインターネットカジノ店へと業態を転換させており、「客引き」を利用しながら繁華街で大々的に顧客誘引を行い、短期で一気に稼いでは次のロケーションに移るというかなり荒っぽい営業を行っているようです。当然ながら、海外にサーバーを置いて営業するカジノであっても、日本からそこにアクセスして賭博を行えば日本の刑法が適用されるものであり、この種の店舗で提供されているゲームもすべて違法です。