現役ドラフト2024、セ・リーグ球団別評価(6)ヤクルトの指名選手から見る”戦略”は…?
日本野球機構(NPB)は、12月9日に2024年度の現役ドラフトを開催。今年は計13人が指名を受け、新たなユニフォームに袖を通すことになった。指名された選手たちは、新天地で活躍の場を見出したいところだ。ここでは、今回指名された選手を紹介するとともに、セ・リーグ6チームの現役ドラフトを総括する。
東京ヤクルトスワローズ
東京ヤクルトスワローズは、1巡目で広島東洋カープの矢崎拓也を指名。一軍で活躍した実績のあるリリーフ投手が、活躍の場を移すことになった。 その一方、在籍3年間でわずか2試合の一軍登板にとどまっていた柴田大地が、東北楽天ゴールデンイーグルスから指名を受けて移籍。東北の地で、再スタートを切る。 矢崎は、慶応大から2016年ドラフト1位で広島東洋カープに入団。しかし、プロ入り後の5年間は芽が出ず、苦しい期間が続いていた。 そんな中、プロ6年目の2022年にブレイクを果たす。同年は一軍で47試合にリリーフ登板し、19ホールドポイント(2勝0敗1セーブ17ホールド)、防御率1.82の好成績をマーク。威力のあるストレートやフォークを武器に、ブルペンを支えた。 翌2023年は栗林良吏の離脱もあり、守護神を任された矢崎。同年は54試合の登板で4勝2敗、24セーブ、防御率2.81を記録し、気づけばチームに欠かせない存在となっていた。 今季も開幕から11試合連続無失点を記録するなど、順調なスタートを切った。だが、7月21日の阪神戦で1イニング6失点を喫し、ファームに降格。 以降は一軍のマウンドに上がることはなく、今季は26試合の登板で11ホールドポイント(1勝1敗10ホールド)、防御率3.60という成績に終わった。それでも、一軍での実績を見れば、実力は証明済みと言える。 また、移籍先のヤクルトは投手力が課題のチーム。リリーフ陣に目を向けても、エルビン・ロドリゲスやホセ・エスパーダの退団、ベテランの石山泰稚が36歳を迎えていることを考慮すると、決して楽な状況ではない。 上記の投手事情を踏まえれば、矢崎の加入はプラスに働く可能性が大いにある。実績あるリリーフ右腕として、新天地で輝きを取り戻す姿に期待したい。
ベースボールチャンネル編集部